私が書く復縁モノ

 このところ、NTR復縁モノ(再構築・元鞘)が少し増えてきたような気がしますね!

 やはり、どんなジャンルも裾野は広いことが大事です。私がなろうさんやカクヨムさんを読み始めた2年前は、NTR復縁ハピエン物って2作とか3作とか数えるくらいしかありません(見つけられてないだけ)でした。その代わり、薄い本宜しくNTRれて捨てられるヒロインは大量に居ました。


 復縁モノって古い作品では別に珍しくもないものだと思ってましたが、わざわざ探して読むほど私は復縁モノが好きなわけではありません。ただ単に、エロ同人とかの酷いNTRや、胸糞の投稿モノに当てられて書いているだけなのです。




〇私が書かない復縁モノ


 そんな理由で私の書く復縁モノは、同じジャンルの中でもかなり限られた内容になります。逆に読むのは好きであっても、まず書かない内容の復縁モノもありますので、復縁スキーの皆様の参考になるよう解説しておきます。この辺の話は私は書きませんので商業で探されることをお薦めします。



 ・話が長い

 ・複雑な人間ドラマ

 ・長い時間をかけた復縁

 ・せつない



 以上、どちらかと言えば現実的な復縁の話ですね。こういうのは掲示板の投稿モノを読めばそれっぽい作品がときどき見られますし、古い小説を探せばきっとそういうテーマの物があると思います。


 話が長い――というのは、単純に私が恋愛モノをあまり時間をかけて読みたくないのが理由ですね。私は自作品を何度も読み返して楽しむのが好きです。どれだけいい作品でも読み返すのに何日もかかり、しかもそれが恋愛ならなおさら読み返したくないので書きません。恋愛物って煽る分、ストレスが溜まりますから。


 複雑な人間ドラマ――私はどちらかと言うと、シンプルな行き違いや誤解が複雑に発展する話が好きなので、登場人物を増やしてそれぞれに問題を起こすのは、あまり好きではありません。問題行動を取るキャラクターって読んでるだけでフラストレーション溜まりますし。


 長い時間をかけた復縁――たぶん、こういうのが普通の復縁なんだと思います。大人になって何年も経った後で偶然再会してやりなおす、間男を刺した主人公ヒーローが服役後に待っていたヒロインとやりなおす、お互い再構築を望み同居して少しずつ歩み寄る――こういったのが古い物語だとか掲示板投稿モノとかで定番のベタな復縁かなとは思いますが、時間経過は胸に来るので何度も読み返すのはもちろん、書くのもしんどいです。


 せつない――話が長い、あるいは長い時間をかけた復縁もそうですけど、せつないの苦手なんですよね。せつな死ぬので。嫌いじゃないんですけどね。




〇私が書く復縁モノ


 それで私がどういった復縁モノを書いているか、書きたいかというと、自分で何度も読み返せる作品。かつ、最後楽しい気分になれる作品ですね。つまるところ――



 ・エロ同人読んだあとの鬱な気分を晴らせる作品



 これなんですよ、全部。あのモヤモヤした気分をすっかりさっぱり綺麗に晴らせる作品を読みたいから書いているわけです。ああいう作品ってヒロインが魅力的な絵柄で描かれているのが普通だと思います。当然、絵で誘いますからね。だけどそのヒロインは主人公の物には決してならない。そのモヤモヤを晴らしたかったわけです。web小説のNTR導入モノも同じですね。


 たぶん、こういう狭い需要を偶然求められていた方が、拙作を好んでくださるんじゃないかなとは思います(え、違う?)




〇私が書くオチ


 なるべく最後は笑えるようにしたいから、オチはエロコメか、或いは元に戻った日常を描くのが大好きです。おそらく、普通のせつない復縁モノを期待されて読まれた読者様には合わないとは思います。申し訳ありません。


 ただ、こういうオチって肉体面でのカタルシスを起こさせるのに必須だと思うんですよね。寝取られで煽った分の精神的、肉体的なフラストレーションを解放するために、復縁パートでお互いの心の繋がりと、肉体の繋がり、精神面と肉体面の二つのカタルシスを起こさせるのが復縁モノには大事だと思います。どちらかが欠けてしまうとモヤモヤは残ったままになると私は考えます。


 特に寝取られ同人的なエロで煽った分は、主人公ヒーローとのイチャラブ叡智でカウンターを入れるのが作者の責任じゃないかなと思います!(わがまま)




〇NTR復縁ハピエン物の魅力


 NTR復縁ハピエン物の魅力については時々あちこちで語っていますが(語り過ぎてウザがられてそうですが)、やはり何よりもヒロインの愛情が寝取られる前よりもずっと大きくなっている。この一点だけは外せませんね。マイナスからプラスに変わる作品も好きですし、1が2にも3にも増える作品も好きです。やっぱりLOVEですよね。


 NTR復縁ハピエン物のベーシックな流れはこんな感じが定番でしょうか。全てを描いている作品ってなかなか無いんですけど、単に、私の好みの定番という気もしないでもないですけどね。いやほんと。



 ・匂わせ

 ・バレ

 ・追い詰め

 ・切り替え

 ・復縁



 匂わせ――不穏な空気を醸し出す部分ですね。何もかもが伏線のように見えますし、ヒロインの罪深さが漏れ出ているほど良いんですよね。雰囲気重視の作品だとなおよしです。まあ、web小説ですとすっ飛ばされることも多いですが、勿体ないですよね!


 バレ――起承転結の起章ですね。ここでヒロインがどれだけ動揺するかとか、或いはしないかとか、ヒーローがダメージを受けるのかとか、煽る部分ですね。やっぱりこれがあってこそです。エロ同人ですとバレさえ無い作品もありますから、自分で書くことは大事ですね。個人的にはヒーローが前後不覚になるほどダメージを受ける系が好きです。


 追い詰め――起承転結の承章ですね。ヒロインを追い詰めることもありますが、ヒーローが追い詰められることもあります。個人的にはどちらかというと後者の方が好きですね。間男に弱みを握られてヒロインが協力してヒーローを追い詰めるとか大好きです。逆にヒロインが追い詰められて、ただ泣き続けたり謝り続けると言うのは苦手です。まあ、作者の趣味が現れる部分です。


 切り替え――起承転結の転章です。ヒロインもしくは主人公のスイッチングです。ヒロインであれば後悔ばかりの所から前へ進み行動で示すことへの切り替えだとか、ヒーローであればヒロインから逃げたいと言う甘えから愛情への気付き、あるいはその逆でヒロインへの愛情を諦めて逃げるとか色々ですね。敢えてとかと書く理由は、本質的にヒーローがヒロインを愛していないと復縁モノは話が成り立たないからです。


 復縁――結章です。やっぱり二人の心がぶつかり合い、お互いが繋がる過程を泥臭くても書かなければ復縁モノの醍醐味が薄れます。ここでどう折り合いをつけるかが作者の見せ所でもありますね! 寝取られたヒロインは必ず変化を伴います。それはヒーローにとって許しがたい変化の可能性もありますし、そこをどういうギミックで乗り越えるかですね。私は泥水すすってでも前へ進み続けるヒロインが大好きです!



 とにかく、寝取られと言う不幸の中に煌めく一条の光という奇跡みたいなものが大好きなんですよね。


 物語としての魅力はこんなところかなと思いますが、他にもあんな魅力やこんな魅力があると復縁スキーの皆さまは感じておられるかと思います。私もこの場では語りつくせない思いもありますが、この辺で締めとさせていただきます。






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復縁物についてのアイデア あんぜ @anze

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