第2話 悪役令嬢、生き返る?!


「んっふぁーー」

(ねっむい、あれぇここどこ?確か昨日は…乙女ゲームを夜中まで遊んでたら、変な声が聞こえてきてって……って知らない天井、豪華な服…これってもしかして異世界転せっ?!)

ガッシャーン!!!

(っえ?なんか割れた!?)

「お嬢様様がっお嬢様が生き返ったぁぁぁ!!!!!!うう゛っあぁ」

(誰?!生き返ったって…この体の持ち主死んだの??)

「お嬢様ぁ…皆さんにっ伝えて、きますっ!」

メイドらしき人はそう言って走って行ってしまった。

(んー。多分この流れは乙女ゲーム転生系だと思うけど、私ってどんな役割なんだろ。ヒロインかモブか…悪役令嬢もあるな。)

「お嬢様!」

「ベアトリス様!」

「お嬢!」

「姉様!!」

10人ぐらいの人に一気に呼ばれて混乱する。

「すっすみません!いぃったいっ皆さんは、だっ誰でしょうか?!」

(言ってしまったー!!仕方ないでしょ?不器用だし、記憶あるふりなんてできないよぉ。)

「え?…」

みんなの顔が絶望に染まる。そして1人の男の子が口を開く。

「姉様、記憶を…っ記憶をっ無くしてしまわれたのですか…?!」

(姉様…ってことはこの体の持ち主の弟!!)

「ごっごめんなさい…全然覚えてなくてっ今までのこと…」

(はぁせめてなんの乙女ゲーか分かれたら…)

「そう、ですか…きっとっ姉様は頑張りすぎたんです。働いて、働いて、僕達のために、だから…休みの時間が必要、なんです。安心してください…!僕ももう14、いつまでも姉様に頼りっぱなしはいけませんね!…きっと記憶も戻ります!今はっ何も考えず、休んでください!…」

涙を必死に堪えながら私を安心させようと明るい振る舞いをするオトウトの姿が目に映る。

「ーそう、だね!きっと記憶も戻るよね!…そういえば、君の名前っ…」

(え…なにこれ?水…私泣いてるの??どうして、初めて会った人の涙見て泣くほど涙脆かったけ?…ああ、なるほど。)

オトウトを前にして、感情を持って、泣いて、理解した。


まだこの身体に持ち主が、いる…!!!

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悪役令嬢、救済します! @huru0502

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