悪役令嬢、救済します!

@huru0502

第1話 悪役令嬢、過労死?!

「悪役令嬢、残虐姫、冷徹公爵令嬢…もしもそんな言葉があるのなら、それら全ての言葉は私に向けられたものね…」


「おい!そこ侍女!」

「ベルナでございます。」

「ベルナ!甘いものとインク持ってきて!今すぐに!」

「かしこまりました。ベアトリスお嬢様。」

書斎と思われる部屋ではイラついているお嬢様の怒鳴り声が響いていた。

(はぁ、あのクソじじぃ私が女だからって舐めやがって!こんな条件のめるわけないでしょ?!…もう何年かしら。公爵家の仕事は私が全部1人で引き受けてる。)

「ベアトリス様、そろそろお休みになられたらいかがでしょう。明日は早朝から皇后様とのお茶会があります。」

心配そうに執事のルイが顔を覗く。

「でもっ…この書類は明日までに…終わらせないと。……えっ?うう゛っ」

(鼻血?…いやそんなことよりも仕事をっ)

途端に目の前が暗くなった。遠くにみんなの声が聞こえる。

(ああ…これで終わりかしら。私の人生。弟を守らなきゃってこの家を守らなきゃって頑張って…それで結果がこれ?ふふっ笑えてきちゃう。…いやダメだ。昔師範に教えてもらったあの方法をっ、託すわあなたに…ごめんね。ちょっと大変かもしれないけど、私が休んでる間よろしくね。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る