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 ホントの名前じゃない?どういうことだろ…?

 天川あまがわがそんなことを考えているあいだに霧下は無駄に明るい声を作って茜に話しかける。


「君、あかねちゃん、だっけ。小学生がこんな時間にで歩いちゃだめだろ?ほら、さっさとかえんないと怒られっぞ〜」


 どうやら霧下きりしもは天使ということは信じてないみたいだ。

 ―まぁ、僕も信じきれてないわけだけども―


(霧下!絶対その子天使だよ!)


 僕は霧下に囁く《ささやく》。


(いやいや、ないだろ。)

(でも羽だって生えてるよ!)

(作り物だろ。)

(いや背中から直で生えてるじゃん)

(ホントだ。)


 そんなことを話してると茜が少し怒った声で、


「私小学生じゃないもん。」


 などと言うもんだから僕らは、ポカンとしてしまった。


 小学生みたいな口調で言われてもなぁー。どっから見ても小学生だし。あ、あれかな?某プロジェクトの吸血鬼みたいな感じかな?


 どうやら僕の予想は当たってたみたいで、


「私見た目は小学生だけど23歳だもん!」


 予想より若かったものの、23歳でこの見た目って、――やっぱ天使かな?――と思っていると


(お前、「やっぱ天使だ〜」とか思ってんだろ。)

(ええ!?なんで分かったの!?)

(長い付き合いだしな。ってか、23っつっても嘘ついてるかもしれないじゃん。)

(でも羽直で生えてるんだし23歳ってのも納得行かない?)

(あ、そっか羽生えてたな)


 やっぱ霧下抜けてるなぁー って、そんなことより、


「茜ちゃん?なんで天使がこんなところに?」


 もっともな疑問だ。なにせここはニートのたまり場だった廃墟で、冬を越せず大量のニートたちが死んだ恐ろしい心霊スポットだからだ。


「それはね、あ!じゃなくって!それはですね…」


 茜はそう言って話し始めた。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 要約するとこうだ。茜は天使の中でも霊をする役職らしい。ここには霊を回収するため来たのだという。


「じゃぁーなんで隠れてたんだよ?」

「それはですね…えっと…私、おばけとか無理で…」


 霊を回収する仕事なのに怖いんだ…

 少しほほえましい気持ちになりながらも、なんでそんな仕事についたんだろうと思いながらも今はそれどころではない。


「霊を回収しに来たってことは、ここ、ほんとに…」

「は、はいぃとっても残念なことにぃ、で、でちゃうん、です…」


 やっぱりぃぃぃぃいい!!あぁァァ今すぐ帰りたいよぉ〜

 霧下に、「帰ろう!」と言う前に霧下が、


「よっし、色々気になることもあっし!手伝ってやるよ!怖えぇんだろ?」


 なんて言ってしまうから「帰ろう!」とは言いづらくなってしまった。更に茜ちゃんもキラキラ目を輝かせながら、


「良いの?ホントに?」


 なんていうもんだから渋々


「ま、任せなさい!」


 なんて言ってしまった。




 ◆ ◆ ◆ ◆



 あとがき


 またお会いできて嬉しいです!作者のデルトです!


 実は本日、7月10日は僕の誕生日なんです!コレで生まれて、えーと、13年目ですね!僕結構自分の年齢忘れちゃうんですよねw


 はい、私事が入ってしまいましたが、今回のお話いかがだったでしょうか?今回のお話は我ながら前回より良くできた気がしますw!

 まぁ、まだまだ「出来が良い」とは言えないわけですが…


 今回は茜に少しだけ迫ることのできた回になりました。まだまだ明かされていないこともありますので、次回も楽しみにしてくれればと!


 ではここらへんで。今回も読んでくださり、ありがとうございました!また次回、お会いしましょう!!

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