水蜜桃 🍑
上月くるを
水蜜桃 🍑
表札に犬の名前や福寿草
鬼やらひ豆待つ猫の耳透けて
川音に育てられたる蕗の薹
地中海料理を卓に緑の夜
ちんまりと座る小猫や白木蓮
梅雨寒や腹に温めて犬の鼻
高床の洋食店や濃紫陽花
朝採の茗荷甘酢に薄紅に
ぽつちりの粒マスタード夏灯
強面で情に厚くてところてん
腕時計たしかむる癖ソーダ水
月日貝生きたきやうに生きたけり
愛着や青きりんごの堅きこと
アルバムの街の匂ひや水蜜桃
市役所の横は日銀ざくろ熟る
だつこして帰る老犬つくつくし
鷹飛びて匠の拳つかみけり
北吹くや出窓の猫の箱座り
代替りして繁盛や晦日蕎麦
極寒のルイボスティの紅深し
水蜜桃 🍑 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます