シュレディンガーの自我
花野井あす
シュレディンガーの自我
<僕>は形のない透明人間だ。
誰も<僕>を正しく認識できないし、僕もまた、<僕>を理解することはない。
<僕>は僕の中のブラックボックスの出力値。
シナプスの電気信号が創り出す虚像。
僕の中のブラックボックスは気まぐれで、其れでいて、ときおり怠惰だ。
一つのデータから複数の結果が出ることもある。
入力から出力が出ないこともある。
何が出てくるのか、それは確率の問題。
その確立に偏りはあるであろうが、その偏りもまた、姿を変えるのだ。
<僕>という虚像が何処から来て何処へ向かうのかは不確定要素。
<僕>という存在は不定形。
きっと神ですら<僕>の行き着くところを知らないであろう。
シュレディンガーの自我 花野井あす @asu_hana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます