宇宙人VS超能力者VS生徒会長

@motizuki_sugu

完全フリー【演劇台本】

○登場人物

・生徒会長(諸星/もろぼし)

・書記(池田/いけだ)

・宇宙人(ぽぱぴぷ)

・超能力者(東雲龍斗/しののめりゅうと)

・新聞部部長(神崎栞/かんざきしおり)

・美術部部長(九条/くじょう)

・校長


────────────────────


(諸星が生徒会室で仕事をしている)


池田   会長ー!!


諸星   池田さん、朝から大声出さないでちょうだい。


池田   そんなことより、大変なことがおこってるんです!


諸星   大変なこと?校長がズラだってことはみんな知ってるわよ


池田   違いますよ!


諸星   じゃあ何?美術の佐々木先生が隠れアニオタだってことかしら?それもみんな知ってるわ。


池田   ですから違いますって!


諸星   じゃあ何よ。


池田   校庭にUFOが着陸したんです!


諸星   ああUFOね、それなら…って、UFO!?


池田   はい!UFOです!!


諸星   …わかりました、とりあえず校庭に行きましょう。


(諸星と池田は下手へはける。舞台は暗転し、校庭のシーンへ。準備が出来次第諸星と池田は上手から現れる)


池田   これですこれ!


諸星   少し疑ってはいたけれど…本当みたいね。


ぽぱぴぷ   あーっはっはっは!!我の名はぽぱぴぷ!地球の愚かな人間共を侵略しに来た宇宙人だ!!


(少しの沈黙が流れる)


諸星   池田さん、あれは?


池田   先程から自分を宇宙人と名乗っているおかしな奴です。


諸星   本当に宇宙人かしら?宇宙人のうの字も感じられないくらい人間じみてるわよ。ただの中二病の高校生じゃないの?


池田   わかりませんが、まあ外見は明らかにただの人間ですよね。


ぽぱぴぷ   おいそこの人間二人!なにをコソコソしている!


諸星   あの、すみませんがここは学校の敷地内です。お引き取り願います。


ぽぱぴぷ   なんだと!この偉大なるぽぴぱぷ…ぽぱぴぷ様に楯突く気か!


池田   自分で自分の名前間違ってるじゃないですか。


諸星   あなたが宇宙人かどうかはよくわかりませんがとにかく、敷地内に勝手に入る時点で不法侵入です。


ぽぱぴぷ   やはり我に楯突く気か…いいだろう!この偉大なるぽぱぴぷ様直々にお前を地獄に…


神崎   うわあぁぁぁ!すっごいですね!これがUFOですか!初めて見ました!校庭にUFO着陸!

うんうん!いい!今月の記事はこれで決まりです!いや〜、いい記事になりそうですね〜!


ぽぱぴぷ   おい、コイツはなんだ。


池田   新聞部部長の神崎さんですよ。


神崎   初めまして!新聞部部長の神崎栞です!以後お見知り置きを〜!


(神崎は下手にはける)


ぽぱぴぷ   …あ"ー、ん"ん"っ、先程の話を続けるぞ


諸星  ええ、わかりました。とにかく、侵略だかなんだか知りませんが敷地内からでてください。私たちの授業の妨げになります。


ぽぱぴぷ   授業の妨げ?はっ、知ったことか!我は…


九条   素晴らしい!これこそアート!


ぽぱぴぷ   今度はなんだ…。


池田   美術部部長の九条さんですよ。


九条   今すぐに!私の手で描きたい!UFOのこのツヤ!構図!実に素晴らしい!


ぽぱぴぷ   まったく…描きたいのなら勝手に描け。二度も我のセリフの邪魔を…


九条   そうか!ではありがたく描かせてもらうことにしよう!


(美術道具を取り出し端で描く)


諸星   それで?ここから出てくれる気にはなったのかしら?


ぽぱぴぷ   そこまで我に楯突くとは、おもしろい。ではこうしよう。人間が我を膝をつかせたら地球侵略は取り消そう。戦い明日の日没だ!


諸星   …そういうことなら。ええ分かりました受けて立ちましょう。


(暗転。生徒会室のシーンへ)


池田   どどど、どうしましょう会長。


諸星   どうするもこうするも、作戦をたてるしかないでしょう。


池田   でも、アイツ宇宙人って言ってましたよ?なんか変な能力とかもってたら…。


東雲   ふっふっふ…困っているようだな。


諸星   はあ、次は何?


東雲   俺は超能力者、東雲龍斗だ!


池田   今度こそ本物の厨二病ですよ会長。


諸星   そう見たいね。池田さん、今すぐ彼を保健室へ連れて行ってあげて。


東雲   おーい!だれが厨二病だってぇ!?


池田   あなたの事を言ってるんですよ。


東雲   俺が中二病か…人間とは面白いことを考えるんだなあ!


池田   いやあなたも立派な人間ですけどね。


諸星   ともかく、うちの生徒じゃないわよね?


東雲   ああそうだ、表向きには高校生、ということにしているが実際は東雲一族の末裔だからな!


諸星   ではあなたも不法侵入ということになりますね。今すぐ警察に電話します。


東雲   あー!ちょっとまったぁー!


諸星   なんですか?


東雲   俺は超能力者だ!


諸星   それは先程聞きました。


東雲   いや実はな、ここで何かが起きそうな気配を感じて来たんだ。


池田   会長、この人本当に超能力者なんじゃないですか?UFOのこと言ってませんよね?


諸星   確かにそうね…。


東雲   どうだ信じたか!


諸星   2割位は信じました。


東雲   2割かよ!


諸星   それでは、あなたが超能力者ということを前提に、お願いしたいことがあるのですが。


東雲   ほほう、なんでも言ってみるがいい!


諸星   明日の日没までに宇宙人を倒さなければならなくなりました。


東雲   何、宇宙人!?道理で右腕が疼く訳だ…。


諸星   あなたが本当に超能力者というのなら手伝っていただきたいのですが。


東雲   いいだろう!この超能力者、東雲龍斗が人間共を守ってやろう!


諸星   そうですか…で、本当に超能力者という証拠を見せていただきたいのですが。


東雲   特別だぞ?


諸星   ええ分かりました。


東雲   …グラビティ!


(指さしたものが浮く)


池田   ええ!本当だっ!


諸星   そのようね。


東雲   だからさっきからそう言っているだろう!


諸星   わかりました。では明日頼みますね、東雲さん。


東雲   …これは楽しくなりそうだ!


諸星   あの、先程から言いたかったのですが。


東雲   なんだ。


諸星   ここは生徒会室ですよ?ボリュームを落としてください。


(暗転。UFOのシーンへ((夜中)))


ぽぱぴぷ   ふっふっふ…明日で地球は我のものか!さあ、どう侵略してやろうか…。


九条   アート!これこそ本物のアート!素晴らしい作品ができそうだ!!!


神崎   明日の日没に戦う、とのことですが今の心境はどうですか?


九条   このUFO、一体何でできているのか教えてくれ!


神崎   意気込みなど、ありますか?


ぽぱぴぷ   えぇい!うるさいぞお前ら!


(暗転。グラウンドのシーンへ)


諸星   よし、いくわよ東雲さん。


東雲   ああ、言われずとも分かっている。


ぽぱぴぷ   はっはっは…来たか人間ども。…む?ソイツはなんだ?昨日はいなかったはずだぞ。


東雲   俺に興味を示すとは、貴様、只者ではないな…?


ぽぱぴぷ   ああ!我の名は…


池田   あ、もうそのくだりいいんで。


東雲   俺の名は穢れなき一族、東雲家の末裔。超能力者の東雲龍斗だ!


ぽぱぴぷ   ちょ、超能力者、だと?貴様そんなカードを隠し持っていたのか!


諸星   カードでもなんでもないわ。たまたま昨日会っただけ。


ぽぱぴぷ   まあよかろう。ある程度強くなくては弱いものいじめになるからなぁ!


東雲   準備いいか?


ぽぱぴぷ   かかってこい!


東雲   いくぞ!アルティメットフォース!


(攻撃をする効果音。口でやるのもよし)


ぽぱぴぷ  …っ!(倒れる)貴様…中々の手練ではないか…。俺のターンだ!カタルシストルネード!


(攻撃をする効果音。口でやるのもよし)


東雲   はっ…お前もやるな…エターナルファイヤー!


(攻撃をする効果音。口でやるのもよし)


ぽぱぴぷ   アブソリュートバリア!


(攻撃をバリアする効果音。口でやるのもよし)


東雲   ふっふっふ…この攻撃をバリアするか…


池田   会長、ただの小学生の遊びにしか見えないのですが。


諸星   あら、生憎私も同じ意見よ。まあ気が済むまで放っておけばいつか決着が着くでしょう。


東雲   しかしお前の余裕もそこまでだ!俺のターン!ユーサネイ…


校長   君たち!


池田   げっ、校長…!


諸星   先生!


池田   先生!!


ぽぱぴぷ  なんだコイツは。


校長   こいつとはなんですか!ここは学校ですよ!


東雲   だからなんだ俺たちは今、世紀の戦いをしているところだったんだぞ。


池田   あちゃー、なんかスイッチ入っちゃってる…。これは校長先生怒るぞ…。


校長   学校とは!勉学に励むところです!そんなことをしていてはろくな大人になりませんよ!


ぽぱぴぷ   おい、アイツ何か髪の毛が変じゃないか?(東雲に向かって)


東雲   ああそうだな。俺も思っていた。何か被り物でも被っている様な…。


ぽぱぴぷ   それ!(ズラを取る)


諸星・池田・東雲   あっ…!


ぽぱぴぷ  なんだこれは、髪が取れたぞ。


校長   …い、いい加減にしなさい!(大声で)


ぽぱぴぷ  ひっ!


校長   まったく…君たちは今すぐ校長室に来なさい!(ズラを直しながら)


全員   は…はい…


(暗転。生徒会室のシーンへ)


池田   たっぷり怒られてしまいましたね…。


諸星   それもこれも、全てあなた方のせいですからね。


ぽぱぴぷ・東雲   はい…。


池田   というか、校長に怒られていた時コイツ膝ついてましたよね!(ぽぱぴぷを指さしながら)


諸星   いわれてみればそうね。


ぽぱぴぷ   むっ…それは…。


諸星   条件は、"人間が"あなたに膝をつかせれば、だったわよね?


ぽぱぴぷ   ぐぬぬ…。


東雲   はっ、負けだな宇宙人め!


ぽぱぴぷ   お前は黙っていろ!


諸星   じゃあそういうことなので、引き取って貰いましょうか。


ぽぱぴぷ   ちょ…ちょっとまってくれ!


池田   なんです?この期に及んで負け惜しみなんてかっこ悪いですよ?


ぽぱぴぷ   違うのだ。我はただ地球にいたいだけなのだ…。


池田   また見え透いた嘘を…


諸星   池田さん、少し(池田を止め)


ぽぱぴぷ   我の星のものは皆、我のように人間のような姿をしているわけではない。我だけなのだ。それが理由で我は星を追い出された。


東雲   お前、そんなことがあったのか…。


ぽぱぴぷ   途中でUFOの一部が壊れたまたまここに落ちただけなのだ。本当だ、信じてくれ。


諸星   あなたの顔からして、嘘って訳ではないようね。それで?先程私を引き止めていたけれど、何をして欲しいの?


ぽぱぴぷ   この学校に我を入れて欲しいのだ…。


池田   会長…こう言ってますけど、どうします?いくら見た目が人間だと言っても、宇宙人ですよ?いつか地球を侵略するかも…。


諸星   …そうね。そうなるとこの学校には入れられないわね。


ぽぱぴぷ   そ、そんな…。


東雲   おい生徒会長…


諸星   ただし、彼が地球侵略をしようとした時に止めれる力を持っている者が他にいるのなら、話は別ですけど。


池田   会長…。


東雲   それって…。


諸星   宇宙人ぽぱぴぷ、東雲龍斗と一緒になら入学を許可してあげるわ。


ぽぱぴぷ   その言葉、誠か!?東雲、良いか!?


東雲   い、いや…俺は別に構わないが…。


池田   じゃあ決まりですね。


諸星   ええ。ぽぱぴぷ、東雲龍斗、入学おめでとう。


(暗転)

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