あとがき④ 物語について
ここからは少しだけ真面目な話になっています。
物語のテーマとでも言えばいいのでしょうか。
この物語のメインストーリーは「バタフライ・ドール」なるものを貴族(ギルバード)に連れて行って……というものですが、
裏ストーリーは「自己破壊衝動からどうやって心と体を守るか」ということなのかもしれない、と思っています。そんなに明確に意識して書いているわけではありませんが。
ストーリーのルークとしては、根底に自責の念があるので、そこの部分をどう解決するかが鍵になってきそうだな、と思います。本当の意味で自分を大切にできない人は、他人を大切にすることもできないと私は思っているので、この微妙な、心の発言のヒドさとか、不安定さとかは、自分を責める気持ちから生まれてきているところが大きいように見えます。
自責の念が出てくる理由として、原因の一つは完璧主義にあるのでは、と考えています。
理想の自分があって、でもそれを実践できない、達成できない時に、完璧じゃない自分が受けいれられない。
だから自分を責めたくなり、必要以上に自分を追い詰めた結果、無理をして病気になったり人生破滅したりということはありますが。
でも私たちが生きている目的は、自分を破滅させることではないはず。
少なくとも、その反対であるとは思います。不器用で不完全かもしれないけれども、その自分を受け入れる。
そうして乗り越えて、本来の自分を出せた時に、初めて他人を受け入れる余裕が増えてくるのかなと。単なる一例ではありますが。
そして最後は、マダラの自己破壊衝動とも言えなくもない言動を、彼なりの方法ではありますが止めていますね。朝っぱらからワインを飲んでいたことについては目を瞑ってあげましょう。
・反省点
第3部(第3章)の存在自体が反省だな……と感じています。
第3部はリラ図書館がかなり異世界なのと、ルークが頑張ってもどうにかならない問題が多すぎた。反対に、街の中の謎を探る、というテーマとかの方が終盤まであの面白いキャラのまま生き生きといけたのかなと思うと、申し訳ない気持ちになりますね。
かと言って、第3部が要らなかったかと言えば、「第2部で完結、よし……なわけないだろ」という意見が脳内会議の結果強かったので、書く流れではあったかな、と。
まあルークが主人公としてはひとまず終わりですが、この世界線自体は続いていくので、「この世界線の物語群の序盤」と考えるなら、ある意味存在意義はあったかなと思います。
ルーク近辺としては、シエナ視点の短編でも書こうかなと思っています。まだこの部分は結論が出ていませんからね、ここもちゃんと回収してもらわないと(笑)
大体話したいことは話せた気がします。
また他作品も書いていきますので、
よかったらお楽しみください( ´ ▽ ` )
それでは改めて、
最後までお読みいただき、本当にありがとうござました!
バタフライ・ドール2 -Who the hell knows?- 武内ゆり @yuritakeuchi
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