第5話 人種差別
悠「今日は人種差別について教えてください」
久和「絶対にしてはならん」
悠「なぜでしょうか」
久和「我が家で雇うメイドに国籍条項はない。なぜなら文化の交流が繁栄をもたらす場合もあるからだ。」
悠「ふむふむ。例えばどのような外国との交流があったのですか?」
久和「アメリカからのホームスティで少女が来た事がある。息子の和鷹の隣部屋に招いたものじゃよ。」
悠「和鷹さんはどのように接していましたか?」
久和「それはもう興味深々でのう。メイドとして雇えないかと詰めてきおったよ。」
悠「それは上田家にとっても良い交流になりましたね。何とお答えになられたのですか?」
久和「自分で雇えと一蹴してやったわ。金を貸すから自分で増やして雇えとな。」
悠「ふむふむ。」
久和「すると店を開きよってな。」
悠「何のお店ですか?」
久和「フライドハンバーガーとか言いよったの。アメリカの少女を雇うようじゃ。」
悠「さすが息子さんです。話を戻しますが、もし僕が実はエルフの血が1/4混じっていると言っても、こうやってお話をして頂けますか?」
久和「は?」
悠「!?」
久和「ならん。刀を抜け、5秒やる。」
悠「ま、まってください。久和さん、どういうことですか。」
久和「不要」
久和の電光石火の斬撃を前に九条悠は腕で防御しようとしていた。その刹那、刀同士がぶつかる火柱が見えた。
和鷹「・・父さん、やめてくれよ。」
久和「お前もここで息の根を止めてやろうか。」
和鷹「父さんはいつも人種差別をするなと言ってるじゃないか。井戸の容積も限られている。なにより、これ以上父さんが人を殺す所を俺は見たくない。」
久和「無駄だ。そこをどけ。」
悠「久和さん、すみません。1/4エルフというのは冗談です。ごめんなさい。」
久和「そうか」
和鷹「父さん、命は重いんだ。駐車場を占拠していたエルフを全員殺したのも俺は反対だった。日本に住むための初期費用だけだしてあげれば済むことだったでしょう。」
久和「少し、頭を冷やしてくるとしよう。九条君、また屋敷で話せる日を楽しみにしているよ。」
悠「ありがとうございます。お二方とも今日は勉強になりました。」
[外国でも良き振る舞いをしていれば種族全体が差別を免れる]
[井戸は死体を入れる場所]
上田久和の館☆人生相談 にこにこ @haruka136
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