第4話 お金より大事なもの

悠「久和さんの言う通りにしていたら、少しずつ好転してきました。」


久和「当然じゃ。この世界にわし以外の法則などないのだから」


悠「唐突ですが、もしお金で買えないものがあるとしたら、それは何ですか?」


久和「ない」


悠「え!?本当ですか?最愛の恋人や家族はどうなります。友人との絆や大統領のような名声は」


久和「やれやれ、私の息子がそんな言葉を口にするものなら、この場で斬っていた所じゃぞ。」


悠「申し訳ありません。若輩者の僕にどういう事なのか教えてください。」


久和「ふむ。よかろう。」


悠「お願いします。」


久和「まず最愛の恋人じゃが。容姿にコンプレックスがあるなら美容整形があるじゃろ。性格が問題なら自己啓発。経験が足りないなら指導してくれる教室に行けば良い。

お主はそろそろ本質が見えるようになるべきじゃ。金とは使い方次第でどのようにもなる。」


悠「な、なるほど。では家族はどうなります?」


久和「例えば両親が生まれた時からいないとするじゃろ?なら家族のように接する事ができる共同体を自らの手で創れば良い。血よりも堅い絆がある団体様はいくらでもあるわ。」


悠「そうですね・・僕が間違っていました。

友人との絆や大統領のような名声はどうですか?」


久和「ドナルドトランプ。友人との絆が欲しければ金で環境と心を整えたら良い。常人にはできない趣味も金があれば出来るので人脈の幅が広がるだろう。」


悠「つまり、お金で変えてしまえば全てが手に入るという事でしょうか?」


久和「また一つ学んだようだな。九条君。」


悠「ありがとうございます。もう二度とお金では買えないものがあるなどとは申しません。」


久和「うむ。人が大事だと言ってる何かよりも株や駐車場が大切な場合も多い。それらは全て我が家に金を生むからだ。」


悠「久和さんのようになりたいです。」


久和「遠い道のりじゃぞ。わしの教訓をどれだけ学べるか。上田家の家訓をどれだけ理解できるか。」


悠「それでも追いたいです。上田家の方々のように強くなりたいです。」


久和「そうか。ならば全ての法則を紐解いてみよ!その先に全ての宝がある。」


悠「まるでどこかの大海賊のように言われるのですね。」


久和「古の秘宝よりも価値は高いじゃろうて。学んだ先にあるものはな。」


悠「上田家の教訓と家訓。これからも学ばせていただきます」


久和「今日はメモはするのかの」


悠「もちろんです。」


[お金で買えないものは無い]

[お金で自在に変えれば全てが手に入る]

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る