その想いに包まれて欲しい

妖の女性と人間の男性の5日間の交流の物語。

妖の一人語りで物語は進行するが、語り口調が優しくまるで昔話のようでもある。
ASMR部門に出す作品ということで、随所に音を感じられる描写や、音源化されたらおもしろい描写もあるが、それ以上に語らなくてはいけないのは物語性だ。

なぜ妖は人間を助けたのか、その想いにぜひ触れて欲しい。
「すずなりのやまもも」がどういう意味を持っているのか、ぜひ確かめて欲しい。

読み終わったとき、切なくもあまりに美しい顛末に、涙が止まらなくなる。
そして、どこか優しい気持ちになるであろう。

妖のやさしさに、想いにぜひ包まれて欲しい。
ぜひご一読下さい。

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