第15話 配信

「よう、色男。あれから乙ノ木とどうなんだ?」

「どうなんだって。別になんにもないよ」

「なんだよ、据え膳食わぬは男の恥だぞ」

「そういうんじゃないって、ホントに」


 ビルの屋上にて。

 ヘルメットと仮面越しに街の景色を一望しながらその時を待つ。


「乙ノ木とどんな話するんだ?」

「話? 他愛のないことだよ。VTウルフの由来とか、そんなの」

「バイオレットとボルト」

「そう。どっちも頭とお尻がVとTだから。なんか感心してた」

「意中の人のことを知れたんだからそりゃな」

「だから、そんなんじゃないって」

「もっと詳しく聞いていたいところだけど賞金首のお出ましだ」

「今だけは賞金首に感謝したい気分」


 屋上の縁まで歩み出て、そのまま飛び降りる。

 ビルの壁面を掛け、紫電の弾丸を向かいのビルに当てて引力飛行。


「さぁ、配信の時間だ!」


 賞金首の元へと急いだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異能の賞金稼ぎは今日も配信しながら陽気に賞金首を捕まえる ~謎の金属で作った無敵のパワードスーツで無双したら滅茶苦茶バズった件~ 黒井カラス @karasukuroi96

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ