バッグの骨 👝

上月くるを

バッグの骨 👝





ねんねこの子の息甘しひとつ星

夏暁や病む子のまぶた薄くして


子のつむり撫でて寝かせる夜涼かな

北風や握り返して幼の手


少年のうなじの青さ聖五月

夕やけや大縄跳びに入れぬ子


遠足のしんがりとなる小柄な子

まつすぐに生きてゆかうね杜若


すんなりと肩に少女の洗ひ髪

ピアノ弾く少女のうなじ卒業す


清明やポニーテールの理系女子

ふつくらと十八歳の浴衣かな


秋澄むやバッグに入れて犬の骨

大切にされゐるむすめ冬すみれ


花芙蓉あねさん女房よき女房

親ごころ子には伝へず敷松葉


夜の墓に布団着せたし不孝の子

赤き実に小鳥来てゐるお正月


すこやかな家族のたより石蕗の花

春光や家族写真の横一列




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