二・五次元パララックス
楢﨑 古都
二・五次元パララックス/楢﨑 古都
体温はパララックスの集合体僕のリアルは表裏一体
友だちが欲しかったんだどうしても僕が僕を見つけた二・五次元
バーチャルに吹き込む命好き勝手切り抜かれてもアイデンティティ
手をひいてくれる誰かがいたわけじゃない仮想世界の
五月空思い描いた理想像鍵の壊れた屋上扉
「入ってく?」その一言がいえなくて折りたたみ傘ささずに帰った
けぶる空じんわり沁みて少しだけ僕のかたちも曖昧になる
こんばんは。おかえり、みんな。君たちも雨の匂いを知っていたでしょ?
片耳に揺れるタッセルはじめてのピアスの痛み忘れたくない
好きだって伝えてくれたひとのことしっぽのみじかい猫にも話す
僕というアシンメトリーなぞるほど このままでいいの? このままがいいの?
君たちに魅せる偶像勘違いかもしれないね夢から覚めて
おとなでも子どもでもないつまずいてつまずいてつまずいて夜明けへ
ずる休み脱ぎっぱなしの制服に問い詰められつつ配信をとる
臆病だ。それでもこれが僕だから、ぜんぶ僕だから Take On Me
タイムラインに流れ着く不特定多数の
映るのは生身の
僕は歌う 見つけてくれてありがとう。パンダのぬいを抱きしめながら
満天のエヴァーグリーンが降りそそぐ人魚もきっとこんな気持ちで
二・五次元パララックス 楢﨑 古都 @KotoNrzk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます