お前らが思っている青春だけが正解と思うなよ

フィルノ

第1話いつも通りの不愉快な部活

「はぁ…部活行くか…」

部活 それは放課後に"希望"した生徒のみが行く強制労働場。なのに俺は"希望していないのに"のに行かなくてはいけない。

その理由は至って簡単、無理矢理この部に入らされたからだ。

「お、ようやく来たか。準備はもうできているぞ。」

部室のドアを開くと片手にジョウロを持った先生が、綺麗な髪を揺らしながら忙しそうに動き回っていた。

「先生…今日は何をするんですか…」

俺はため息混じりに恨めしそうに先生見つめた。

「なぜ、そんなにやる気がないんだ。そんなにやりたくないのか?」

はい、そうです。やりたくないです。そう言いたいのだが先生の熱意に負けてしまった。

「ていうか前から思っていたんですけど、なんで部員が俺一人なんですか。俺のこと好きなんですか。」

「そんな訳ないだろう。あと部員が一人しかいないのも簡単な理由さ。私が勝手作って、勝手に入れた生徒が君だからだ。」

だからなんで俺なんだよ。もっと他にいい奴はいるだろうが。ほら吉田とか宝正みたいな先生にいい顔してる陽キャを入れれば万事解決だ。

「でも俺じゃなくたっていいでしょう。」

「君は何も分かっていないな。過去に忘れ物や仮病、遅刻した回数を覚えていないのか?」

知らないし覚えていない。

指を数えるぐらいならいいが指が何本あっても足りないぐらいはしていると思う。

「はぁ、覚えていないですね。」

「忘れ物の回数43回、仮病の回数14回、遅刻の回数32回だ。よくもここまで出来たものだな。」

「なんで知っているんですか。俺のストーカーですか。」

遅刻の回数ならともかく、仮病の回数までバレてるとは怖すぎる。

「担任だからに決まっているだろう。それとお前はいつも仮病のときは倦怠感がすると報告するからな。君の行動は完璧に記録してる私が言うのだから間違いない。」

何それ怖すぎ。監視社会かよ。

「とりあえず、今日は何をするか教えてもらっていいすか?」

「あぁ、そうだったな今日もいつもと同じく花壇に水をやってくれ。」

ま、そうだろうな。最近はこれぐらいしかやることがない気がする。

「パッパと終わらせて帰りますか。」

「お、やる気だな。私も早く帰ってジョッキで一杯飲みたいよ」

いや、アンタは仕事だろ…









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