鬱短歌二十連
暇崎ルア
鬱短歌
泡のように 厭な記憶が 浮かび来る 消えてくれよ 人魚姫みたいに
今日はまだ やらかしてない これからだ まだこいてない下手に 舌打ち一つ
自分嫌い ってのたまう 自己矛盾 大好きじゃんよ お前自身が
友達を 遊びに誘えば 顔出す豪雨 雨女は 孤独に暮らせ
六秒じゃ おさまるわけないだろ 怒りなんて これから一生 燃え続けるわ
知ってました? 笑いと恐怖は 紙一重 だから今日も 君の言葉で笑う
これからも 続いていくのか この日々が 何の成長も できないままに
悲劇の ヒロインじゃない というより 醜く肥えた 悪役だから
溜めた闇 抑えきれずに 爆発し 泣きつくした夜 痛む頭
変えられない 過去の過ちは もう二度と それ以外だって 変えられないけどさ
小さな棘 誰かの心は 大きな刃 言葉は鋭い 痛い恐ろしい
忘れろよ 昔のことじゃん 気にすんな 言い聞かせるほど 過去で埋められてく
今日もまた 時を浪費して 生きていく 些細な喜びに しがみつきながら
この人は 良い人だけど どっかでは あたしのことを 悪く言ってる
嫌なことは やめてと言うべきと 人は言う 言ったら凍る 空気を知らないで
正面切って 言われたとしても 泣きはしない 舌が麻痺して 言葉が出ないだけ
なぜ夜は 明けてしまうのか 数時間で やさしい闇色に くるまれてたいのに
イヤホンから こぼれて弾む 愛しい音に 浮かれていたい 笑っていたい
ポジティヴに 考えなよと 言われても そんなことしない これがあたしだから
吐き出した 暗い言の葉 醜いな でもこれでまた 明日を生きられる
鬱短歌二十連 暇崎ルア @kashiwagi612
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