いじめサークル
高黄森哉
私
「へん。私は〇だったけど」
七海ちゃんは秋ちゃんに自信満々で言いました。これは、昨日、夢で見たという、人間力テストの結果です。
「それで秋ちゃんは?」
「私も、〇だったよ」
秋ちゃんは髪の毛を触りながら答えました。二人は、隣にいる
「じゃあ、天ちゃんは」
「私は、」
彼女は聞かれて押し黙ってしまいました。どうも、どうしても答えたくない様なのです。
「あっ、×だったんだ」
秋ちゃんは教室中に聞こえるように、そう叫びました。
「え、天ちゃん。×だったの」
七海ちゃんはそう蔑んで、くすくすと笑いました。そして、
「秋ちゃんは私の仲間。でも天ちゃんは違う。だって、バッテンなんだもん」
と残酷に言い放ちました。言われた当人は、悲しくて悲しくて涙が出てきました。フルフルと唇を揺らしています。その唇から震える声を出しました。
「い、いち」
「いち?」
「人間テスト、いってん」
天ちゃんを虐めていた二人は、ああ、私達は零点だったんだ、といまさら知りました。
いじめサークル 高黄森哉 @kamikawa2001
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