エピローグ代わりの小ネタ集

玖韻と怜央の名前の由来

玖韻の名前を考える時にふと「ライオンキング」という言葉が浮かび、名字を『来隠(らいおん)』に、名前はキングを女王にしたらクィーン、なら『クイン』だとなり、適当に漢字変換して『玖韻』に。

怜央さんは玖韻に倣ってキングにしようと思ったけど、あまりにもDQN過ぎるということで、ジャングル大帝から取りました。

だから名字は『御門(みかど)』です。

御門怜央、強そうw



レィヴァン達のギルド初期ランク

ギルドカードを作る時に「銀級トリオだって本当は優秀な子達なんだよ!」を示してあげたくて彼らはEとFに。

けれど結局レィヴァンに持っていかれる可哀想な役回りです。

そして「あれ?レィヴァンって史上二人目の神級なんだよね?しかも勇者だよね??え、ケニスがEランクでスタートできるならSランクとかでいいんじゃね…?」と思い、最初Sランクだったレィヴァンですが、先生の立場がなさすぎるとの忖度からAランクに降格。

併せて当初Aランクだったスミス君もCランクになりました。



ルイズアンナ

初クエストに行くという話で突然存在が明らかになった妹ちゃん。

というのも、『スミスが18歳になったら異世界転移で日本に行く』ということしか決まっておらず、その方法として『敵を倒せないと判断したスミスが自己犠牲で異世界転移を行う』か『敵の異世界転移に巻き込まれる』か『偶然時空の歪みに落ちる』の3パターンのどれかになると思っていたため、とりあえず強敵を出そうと思った結果がドライガで、スミスが戦いを挑む理由として妹の敵とするためにルイズアンナができました。

しかも最初『ルアナ』は『ルイジアナ』の略だったのに、予測変換でルイジアナ州が出てきたことで『ルイジアンナ』→『ルイズアンナ』になりました。



やたら活躍する若司祭

実は怜央さんの生まれ変わりです。

一切触れないし、本編に関係ないから書いていないし、怜央だった記憶も全くないけれど、怜央さんなんです。

ちなみにお名前はレオニールさんといいます。

彼は玖韻を残して死んでしまったことが心残りとなり地縛霊になりかけたのですが、『来世で彼女を助けてほしい』と神の遣いに依頼され、玖韻を助けるあの時のためだけに存在していました。

回復魔法が凄かったのもそれが理由です。

そして無意識ながらもレィヴァンの父親として彼を諫め、鼓舞し、治癒術に関しては師になり、レィヴァンにとってかけがえのない存在になったのです。

幼いレィヴァンに彼が言った「後悔しないために」は彼の前世の後悔の名残です。



アンフィージオ国とアリオ国

今まで名前が出てこなかったレィヴァン達の国はアリオ国と言います。

両国は元々一つの国でしたが、アリオとアンフィージオという双子が誕生したのを機に二つに分かれました。

争いがあったとかではなく、単に国が大きくて管理が大変だったからです。

それでいいのか王国。

そして名前に因み、アリオ国の名詞は短め、アンフィージオ国の名詞は長めという特徴ができました。



スミスの正体

『スミス・バンドル』改め『スミナリス・シャスバンドール』君です。

ケニスの祖国アンフィージオ王国の側室の子で、正室が産んだ兄が二人います。

しかし正室と側室はもの凄く仲が良く、スミスが生まれた後すぐに後継者問題で争いなど起こしてなるものかと長子を立太子させ、次子は公爵として独立させ、スミスは明確に王位継承権を失ったと周囲に示すために生後三ヶ月ほどで廃嫡され、以降シャスバンドール伯爵家の跡取り息子として育てられることになりました。

本人はそれを知っていましたし、その後側室が産んだ女児が自分の妹だということも知っていました。

そして彼女が5歳の時に初めて対面してすっかり懐かれ、彼女に乞われてスミスは兄として頻繁に彼女の我が儘に付き合います。

そして家族でピクニックに行ってみたいと言った6歳の誕生日に悲劇は起きました。

なお、この時同行していたのは伯爵家の両親と母親である側室のみで国王は不在でした。

廃嫡された王子のところに国王が行くといらぬ勘繰りをされるので。

それ以降スミスは完全に王室との関係を断ち、しばらく姿を隠すため行儀見習いと称して隣国のデイモンド伯爵家にお邪魔することになりました。

その内に「せっかく金級の魔術師なんだから騎士学園に行ってみてはどうか」「今年は神級の勇者がいるから、悪目立ちすることもないだろう」などの周囲のすすめに従い、レィヴァンに出会ったことで彼の運命がより大きく変わります。

波乱万丈な方にですけどねw

こんな人生だったからあんなにひねくれているし、素直じゃないわけで。

でも、だからこそ自分をいい方向に変えてくれたレィヴァン君がなにより大切なのです。

ちなみに、玖韻に抱いている感情は『友情』です。

彼女の相手は怜央ただ一人だと思っていますし、そうでなくても親友の母親とどうこうなる気はありません。

一応婚約者はいましたが、異世界に行った=死んだものと看做され婚約は解消されています。

ただ、彼女はまだ結婚していませんので、どうなるかはスミス次第だったり。



ケニスと隠し名

スミスがスミナリスであることの伏線としてケイニアスになったケニス。

彼の家はアンフィージオ国ではただの商人の家でした。

とはいえケニスの父親の手腕は素晴らしく、取引のあったアリオ国が人材確保目的で「うちで貴族にならん?」と声を掛けました。

ケニスの父親は「え?貴族?いいんすか!?」と即了承し、アリオ国に引っ越します。

しかしそこでウィナーズと名前を変えた彼らは「祖国を捨てた元平民の成り上がり」という差別を受けました。

彼らを呼んだ手前、国王は彼らに目を掛け何かと庇い立てしますが、それがまた余計に反感を煽るという悪循環。

当然それは子供達にも及び、ケニスや彼の兄弟は一時期虐められていました。

そんな中でケニスを救ったのがエレリックとバートンです。

エレリックは「国王の覚え目出度い家の子を虐めれば自分の不利になることもわからないほど貴方達の知能は低いのですか?」と口先で戦い、バートンは「そんなに相手してほしけりゃ俺が相手になってやるよ」と武力をちらつかせます。

この時彼らはまだ5歳ですが、文字にすると嫌な子供ですね。

この出来事以降、彼らは揃って銀級の才能があることもわかり、生涯の友として苦楽を共にしていくのです。

なお、ケニスの家のように『隠し名を持っている=祖国を捨てた人間』と言われているため、隠し名を知られることは彼らにとって一種の恐怖であり、転じて相手に対し信頼を示す手段にもなります。

レィヴァンがケニスの隠し名を知っても態度を変えなかったのはただ単に意味を知らなかったことが理由ですが、それでもそれを理由に虐められていたケニスにとっては何よりも有難いことだったのです。



キアラについて

500年以上も生きるエルフ族であり伝説級の弓術士、キアラさん。

そんな彼は長い時を生きてきた弊害で男女の概念が希薄なようです。

なのでスミスに向けている感情も『この子は目を離すと何をしでかすかわからないから、私が見ておかなくては!』みたいな母性に近いものであり、BでLな感情ではありません。

そもそも男女の概念が希薄だから恋愛感情も希薄なのです。

観察対象として綺麗なもの、可愛いもの、恰好いいもの、癒されるものが好き。

これを登場人物で当て嵌めると、綺麗なものはスミス、可愛いものもスミス、恰好いいものはギルド長や先生やレィヴァン、癒されるものがスミスとレィヴァンのやり取りとなり、スミスの割合が多いことがわかります。

そのためレィヴァンも「彼がスミスに向ける感情がわからない」となるのです。

多すぎるんですよね、比重が。

とりあえず大のお気に入りではあります。

あと500年の内に性格が丸くなりましたが、200歳未満の若い頃はキレた時のような乱暴な性格でした。

なのでスミスを見ていると昔の自分を見ているようで懐かしくなる、ということもあるようです。

スミスにとってのレィヴァンは彼にとっての先生とギルド長になります。

自分と同じ目線で同じように物事を語れる存在に500歳にして初めて出会いました。

だから彼らと一緒にいるために今はギルド長の補佐をしています。

きっと彼の引退と共にキアラもギルドを辞め、その後は三人で気ままな冒険にでも出掛けるんじゃないかな?



竜と伝説級の竜の娘

齢5000年を誇る古代竜とその娘である1200歳の伝説級の拳闘士。

天地創造当時から存在していると噂されているこの竜は世界樹の中で3800年間ただただ眠っていました。

存在意義もなく自己も薄い、ただ存在しているだけのものだったのです。

しかしある男が眠っている竜の元に訪れ、竜を起こしました。

起こされた竜は彼に誕生してから眠るばかりだった自分のことを話すと、「それでは貴女がこの世にいる意味がない」と言われ、「なら我はどうすれば?」と訊ねたところ、「子供でも作ってみてはどうか」と言われ「なら相手お前な」「え?それはちょっとかなり予想外って言うか」「知らんがな、言い出しっぺやろ、他に相手おらんし」となり、彼と子を成します。

もちろん彼に惚れたとかではなく、自分で言った通り「お前が言い出したんだから責任取れよ、他に相手いないんだよ」という理由だけです。

そして生まれたのが伝説級の拳闘士となるハーフドラゴンの娘です。

彼女は人型にも竜型にもなれる母とは違い、竜の姿になれないことをずっと気にしていましたが、500歳の時「そういやお前の父親は人間だぞ」と言われ、初めて人間とのハーフだと知り、「なら仕方ないか」と納得して以降は自分を受け入れ、今度は人間に興味を持つようになります。

そんな時、神級の導き手が彼女らの元へやってきて「この世界のために協力してほしい」と言い、『竜まで行ったら戦力過剰過ぎて逆に問題になる』という理由で娘のみが彼と共に旅立ちました。

御伽噺ではこの後彼女は竜の元へ帰り、そこで日々を穏やかに過ごしているとなっていますが、実際は世界を放浪しています。

その間に世界樹に残っていた竜の元には何人か客が訪れました。

エルフでは初めてキアラが訪れ、珍しく興味を惹かれた竜は彼と楽しく語らいます。

やがて世界を歩き尽くした娘は里帰りをしますが、そこにタイミングよく神級の勇者が訪ねてきました。

娘は「神級とはどれほど強いのだろうか」と期待して手合わせをしましたが、結果は娘の圧勝。

ですが彼は今まで出会った誰よりも諦め悪く一生懸命で、娘は気になってその理由を問いました。

すると自分がかつて共に戦ったことがある黒龍人ドライガが原因で彼は親友を失い、今はお告げを受けて再び後悔をしないために自分を鍛えている最中だと聞かされ、娘は僅かに責任を感じます。

その罪滅ぼしとして彼女は彼を鍛え、その後彼から無事使命を果たしたと聞き、再び世界へ旅立ちました。

また一人になった竜は世界樹で眠りながら、暇潰しになる誰かの訪れを待っています。



ドライガ

スミスの敵役として突然登場した上級悪魔とされる黒龍人。

実は彼を召喚したのは神級の導き手で、彼は「魔法があるなら召喚術も使えないかな?」という思い付きで召喚術を研究したところ、僅か1年足らずで開発し、実行に至りました。

そして幼き日のドライガは召喚され、契約の名の下に彼に使役されましたがそれは一方的なものであり、そこにドライガの意思は微塵も介在せず、最後には邪魔者扱いされ封じられました。

と、彼は思っていますが、実際は導き手はドライガを大切な仲間だと思っていました。

しかし成長と共に大きくなり過ぎたドライガの力を抑える手段がなくなり、周囲から「抑え切れなくなる前にドライガを始末しろ」と言われたものの、どうにか生かせないかと考えた結果でした。

その後も導き手は死ぬまでドライガの送還術を研究していましたが、とうとうそれは果たされず、彼らはすれ違ったまま生を終えたのです。



神級の導き手

『創造神が遣わした御子』『転生or転移した異世界の勇者』『実は神』など設定が二転三転している最中、キアラが突然「あの人転生者だったよ」と言い出したために転生者になった人。

零万と同じくらいの時代から転生したようで、異世界転生をあっさり受け入れた挙句、無責任に新魔法を開発したせいで終生苦しむことになります。

現行のギルド制度や貴族制度の骨組みを俄か知識で制定したりと割といい加減に世界の在り方に口出ししていた模様。

偉人扱いされ御伽噺にまでなっていますが、実際はただの天然お人好しだったり。

竜の母娘と彼については名前を考えていません。



キャトレットさんについて

作者の猫愛によってレィヴァンの実家宿屋の名前が『白銀の老猫亭』になったため、その由来として誕生した猫。

正体はケット・シーにしようかとも思ったけれど、異世界だからと単純に猫の聖獣になりました。

長毛白毛のオッドアイ、最高ですね。

スミスの魔力=キャトレットさんの髭二本でわかる通り、超強い聖獣様です。

レィヴァンの家にたまたまいたのではなく、キャトレットさんのいる家だからこそ幸運の持ち主の生家として相応しいと選ばれたと言うべきほどの存在。

母親の実家、つまり母方の家に長々と居付いているわけですが、元々母方の家は国の呪い師(悪い呪術ではなく、どちらかと言うと巫女系)で、弱っていたキャトレットさんを助けたところから縁が始まっています。

その後も聖獣故に幾度となく捕らえられたりピンチを迎えたりするキャトレットさんですが、その度に母方の血筋の子孫に助けられ、最終的に「ずっとこの一族と一緒にいれば安泰じゃん!」という結論に達した結果、今日に至るまで自身を守ってもらっている代わりに家を守ってくれています。

ちなみに名前の意味は『可愛い猫』。

さん付けなのは家族皆が『キャトレットさんに家を守ってもらっている』となんとなく感じていて、彼女に畏敬の念を抱いているからです。

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この世の沙汰は運次第 緋水晶 @hisuisyo

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