第20話 さようなら、山田さま!<2>


 以前に、山田さまが私の小説を批評してくださった。

 その経緯は、近況ノートに書いている。


https://kakuyomu.jp/users/iyo-kan/news/16817330655035256901


 嬉しくて、長い間、パソコンに保存していたのだけど、このエッセイに残すことにした。著作権とか、あるのかな? カクヨムの規定に触れるようであれば、削除します。





※ ※ ※


 山田だ。俺の好みをここで暴露しておこう。俺は重度の中国史好きだ。小学生のときにヨコミツ三国志読んでから、今に至るまでずっと好きだ。ウィキとか見てるだけでよだれが出るね。参考文献とかに埋もれて死にたいぐらいだ。

 あとは若い時にはゾンビが好きだった。あの絶妙に強くて弱いところが、実に好みにマッチしてな。最近のダッシュしてくるやつは、パワーバランス崩れすぎてそこまで好きじゃねえ。あんなん勝てないだろ。人間様が知恵と工夫で討伐できる絶好の敵であってほしいんだ。


さて今回は大好物の中華ものだ。

作品:銀狼山脈に抱(いだ)かれて、少女と少年はアサシンとして出逢った

作者:明千香

https://kakuyomu.jp/works/16817330650010982993


この小説は冒頭二話が色々紹介とかになってるから、そこは評価に含めない。本文が始まる第三話目を第一話としてカウントする。ほならいくぞ。


第一話(第三話

素晴らしいな。導入が風情あっていいね。この水墨画で描かれるような風景を夢想するのは、人類の特権だな。ふむ、邯鄲の夢みたいな町だね。とっつきやすいな。あくまで俺にとっては、な。まあ説明文をつらつら書くのは、ラノベ読者には向かないだろうな。多分山脈の説明あたりでギブアップするやつが多いと思うぞ。

青く茂る町、瑠璃と朱の宮殿、金色の寺院。特徴を色で付けるのはポピュラーだが、識別しやすくていい。地味に銭ありそうだなって思ってたら、実際金に飽かせてるらしいな。なるほどな。恐らく中央アジア系の民が集ってきたと思えばいいのか。あの辺の欧州・アジア・中東の色が混ざったオリエンタルな人たちは、かなり魅力的だ。


 狼信仰ってのは割とあるらしいな。国作りの神話としては、しっかりしてる土台だと思う。身近にいながらも怖くて触れられない。その姿は神々しいとくれば、信心を持ってもおかしくない。二十人で建国か。血が濃くなりそうだ。もう周辺を襲うしか繁殖する方法ねえな。まあ、管子もゲロ吐くほどの衣食住の足りなさだろうから、手段は選んでられんよな。国盗りは中華のお家芸だな。


第二話(第四話

 揖礼は中華式の挨拶だな。すげえな銀狼の加護。一日一個で済む果実とか、スーパーフードすぎる。俺も食いたい。木切れで井戸掘るとか気合入ってるな。腐葉土があったり山羊が来たり、至れり尽くせりだ。なろう主人公でもなかなかお目にかかれんレベルの厚遇だ。まあ、神話ってのは大体こんなもんか。クッソ苦労した話を書いても、後世の人は読まないかもしれない。そう考えるとエンタメってのは時代を超えても喜ばれるんだな。なるほど、完全なる朝か。風流よな。亀さん、さらっと銀狼に不老不死っぽいこと言われてるが、大丈夫か。

 いい御伽噺だった。果たしてここまで何人のカクヨムユーザーがついてきてるか不明だが、結構おもしろかった。


第三話(第五話

 亀さん、熱い男だな。町が妻とは恐れ入る。人口がかなりネックだが、食物の量的にはギリ生存か。合同結婚式か。いろいろと最近は騒がれてるが、まあフィクションには関係ねえな。加護が有効なうちに繁栄しとかないと、一瞬で詰む環境だしな。やっぱ肉は欲望の塊だよなぁ。食ってる感があると、次々と欲しくなる。ヴィーガンも生き方の一つだが、動物性たんぱく質の満足感は脳汁あふれるだろうな。

 息子見送って宴席片付ける亀さん、ちょっとクスっときた。あー、油汚れとれねえなーってやってる間、息子の息子は頑張ってるんだろうな。一族存亡のときだしな。働きもするか。よく考えたら、亀さん一人で片付けてんのか。なんか涙出そうだな。一人で賢者の心持ちでいるのは辛かろう。

 順調に村が育ってて嬉しいね。狼に危機感を持つってことは、それだけ安全な生活してたってことだ。


まとめ

 俺的にはかなりヒットだ。三話縛りが残念なほどだよ。褒めてるばかりじゃしょうがねえからな。言いたくねえが、思ったことを述べさせてもらおう。


 まずこれ、【賢いヒロイン】コンテストだよな。早いとこヒロイン出した方がいいと思うぞ。今んとこ亀さんが頑張ってるところと、銀狼様が優しいくらいしか印象がない。マックでハンバーガー頼んだら、ピクルスだけ出てきたようなもんだ。こっちはバンズに挟まった肉と一緒に食いたいんだよって言う。

 誰が、どこで、何をする話なのか。場所は概ね分かるが、まだ主人公と思しきヒロインがいねえ。これは聞き流してくれていいが、国作りの神話、必要か?亀さんが不老不死フラグっぽいのは察する。けどちょいと長すぎないかね? 壮大な伏線があったらすまん。三話までしか読まないから、未来予知でもできねえ限り回収は不可能だ。


 多分だが、何らかのベクトルに賢いヒロインが出て、アサシンとなって出会ってからが始まりだろう。メインはヒロインの賢さだ。探偵的なものではなく、知識が特化してる系だな。 恐らく暗殺の手段が【賢い】になるのかもしれん。あらすじを読む限り、皇太子の座をめぐる戦いに巻き込まれるのだろう。


以下引用

趙藍秀は、半氏の第三皇子に嫁ぐ姉の侍女として後宮に入り、次期皇太子の座をめぐって渦巻く陰謀から身を挺して姉を守る。その彼女を見守り時に太刀を振るって助ける、美貌の若い宦官がいた。

引用終了


 ちっととっ散らかってるな。趙藍秀→侍女 趙の姉→第三皇子の妻 その彼女→趙藍秀 若い宦官→趙藍秀を守る人 ってことか。まだ影も形もない話だね。いっそここから始まった方がよくねえかって思うのは俺だけだろうか。まあ、酔っ払いの寝言だから聞き流してくれ。その辺は自由だ。

 なんでこんなこというかっつうと、もったいねえからだ。舞台が優秀なぶん、読まれないのは悔しい。じゃあどうすんだっていうと、早いとこ本題に入った方がいいかもな。 俺も公募の評価とかで書かれたわ。初っ端から説明文長えって。俺としては必要だから書いたんだが、読み手にとってはそんなことどうでもいいんだなって気づいた。 見せ場をはやくしろってのが下読みさんの本音なんだろうよ。


 まあこれからも頑張ってほしい。★は2個だな。中華補正だ。じゃあの。





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