カモミールの花束をあなたに

 すかとろの花言葉は精神美だ。

 しまった。まるで、お花の一種であるかのような書き出しをしたが、間違いだ。


 いま開花し始めている桜の花言葉が精神美なのだ。


 精神美が花言葉のお花があるなら、真逆の筋肉美が花言葉のお花があるかと探したけれど、見つからなかった。


 類似する花言葉を調べたら、ヒヤシンスの花言葉の一つが運動だった。


 たしかに筋肉を付けるには運動をしないといけない。私は筋肉を付けるつもりはないが、少しは運動してダイエットをしたい。


 どんな運動が1番手っ取り早いかと考えて、ラジオ体操することを思い付いた。


 会社ではやらないので、ラジオ体操をするなんていつ以来だろう。

 私は思い立ったらすぐやる課なので、YouTubeの動画を見ながらやってみた。


 ラジオ体操第一は体がその動きを覚えていて、すんなり出来た。でもラジオ体操第二は難関だ。

 まったく覚えてない。


 でも一つだけ覚えていたのは、両ひじを曲げて手を上に向け、股を開いてヒザを曲げるという、なんだか辱めを受けてるような動きのやつだ。


 あの動きのことを父は、う◯こ、ち○ち◯と呼んでいた。

 とても下品だ。

 私は、う◯こ、ち◯ち○などと言う大人にだけはなりたくないと子供心に思ったものだ。

 後にあれは加藤茶さんのギャグだったと知るのだけれど。


 私は筋肉質な男の人が少し苦手だ。


 よく「よっ、冷蔵庫!」とか、「肩に玉袋筋太郎乗せてんのかよっ!」などと掛け声を掛けられている、ボディービルダーのテカテカした肉体を見ると、


 なんだか、ち○ち○を思い浮かべてしまう。

 とてもテカテカした立派な、ち○ち○だ。


 しまった。私は大人なのに、ち◯ち○などと言ってしまった。血は争えないものだ。


 父のしたり顔が目に浮かぶ。


 こんな下品でひどい文章を、

 このお花の花言葉で締めたいと思う。


 カモミールの花言葉は『ごめんなさい』だ。

 あなたの心にカモミールの花束を贈ります。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る