計算上は存在する生命体!
五木史人
計算上、誰かいる!
夏休みに入った大学は静まり返っていた。
その中でもさらに計算室は静かだった。
「部屋のクーラーが壊れてね、ここで涼んでるの」
ビーチサンダルに短パンTシャツ姿の
大学の計算室にはわたしの他に、
ご飯の上に梅干しがずらーっと敷かれ、表面上の見た目は真っ赤なお弁当だ。
最初は何事か?と思うお弁当の色だ。
わたしは自称天才の大学院生だ。
現在、わたしはスーパーコンピューター
スーパーコンピューター
これは素晴らしい機械だ。
3次元空間に生きる人間では、見ることも聞くことも出来ない存在を、計算してくれる。
4次元だって5次元だって、6次元だって・・・・計算上は存在する世界だ。
3次元空間に生きる人間は、その存在を計算上でしか探知できないのだ。
自称天才プログラマーでもあるわたしは、より現実的に計算上は存在する生命体を探知するプログラムの開発に成功したのだ。
それが可能になったのは、スーパーコンピューター
計算から3時間ぐらいたったころ、
その結果は、わたしの背後に計算上は存在する生命体が、何かの小さな箱を持って立っている事が解った。
そう!わたしのすぐ後ろだ!
それは計算上しか解らない生命体なので、見えるはずはない事は解っていたが、わたしは振り向いた。
えっ!見えた?
わたしは驚いた。
でも良く見るとそこには、お弁当箱を持った
「よっ♪」
「
「ん?計算上?」
「商店街でアイス買って来るけど、何が良い?フルーツ系なら何でもあるけど」
ビーチサンダルに短パンTシャツ姿の
「蜜柑」
わたしが言うと
「良いね~わたしも蜜柑にしよう♪」
そう言うと計算室を退出した。
どちらのせよ、この事がきっかけで、わたしは
しかし、結婚して3年経過したが、まだ
完
計算上は存在する生命体! 五木史人 @ituki-siso
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます