少ない文字で綺麗に纏められている

短い中に散りばめられた伏線とその回収お見事でした。
読みながら何故償いが果実酒を作ると言う行為になるのか全然腑に落ちなかったのですが、最後の最後に関連して主人公の性格等を固定させる落ちがあり、すごく綺麗に纏められているので短編を作る際の参考になります。
全体の構成から見て何の知識なく読んでもどんでん返しがあって面白いですが、紫陽花の花言葉、種類などの知識があると色んな比較ができるのでさらに面白いかも知れません。

個人的には台詞回しがすごい好き。傘の色を見えている世界の色に例えるのは非常に好みでした!
主人公から垣間見える誰でも陥りやすいけれど少しズレた感性や罪の事実に気づいても客観的に見られず、結局本質は変わらない行動を取る描写などは色々深く考えさせられます。良い作品でした!^^