鬼灯

たんぜべ なた。

コムローイのお祭り

 雪原に佇み、白夜の空を見上げると

 鬼灯ほおずきのようなランタンが空に昇っていく。


 農業の豊作と収穫への感謝を込め、夜空にランタンを放つのが本式ならば


 白夜の空へ放たれるランタンは、一体何のためだろうか?



 海を漂う海月クラゲのように、中空の風に身をゆだ


 大空を渡っていくカリの群れのように、より高く、より遠くへ


 まるで意思を持った生物のように、ランタンは飛んでいく



 あの中には、私の手から離れたランタンも有る


 愛しい詩ラブレターを孕み、それは虚空に吸い込まれて行く



 そう、叶う事の無い


 ほのかな想いを


 思い出に昇華するように

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鬼灯 たんぜべ なた。 @nabedon2022

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