第3話 超越者

「何故だ。一騎討ちではないのか。海千山千。許されぬ。」


 ブォォォォォブォォォォォブォォォォォ 


 サクリフィーチュム様が召されたぞー。今だー。この機を逃すなー!突撃ーー

 

 狡い女め。騙しやがって。


 私は盾と剣を構え槍が盾に当たった時私は剣を振り上げ馬を切断した。この身体は捨てるには惜しい。だが、まぁ、守るのは無理だろうな。やれるだけやってみるがな。


 そうして敵に突撃したとき、私の身体を無数の炎が囲んだ。


 ん?なんだ?炎が…火炎瓶でも投げられたか?


 私はそんな事を考えているうちに、意識の状態に戻った。


 敵はどこだ?


 辺りを見回すと櫓の上に女が3人。杖を持って何か唱えている。


 魔術か?まさかな。しかしこの城の作りから11世紀ごろかな。すると、魔女狩りが行われる前か。すると、魔女は実在したという事か?だが、そもそもここは地球かも怪しい。


 私は先程の肉体を焼いた女に憑依した。驚いた事に、憑依した瞬間、女が持つ全ての魔術を理解した。私は方法を即座に記憶し、魔法が一般人でも扱える事を知った。私は実に愉快になった。何故ならこれにより、究極の肉体になる夢に近づいたからである。そして、私は人々への怒りを忘れ、ある提案をした。


「甘いな。後ろに魔導士を置けば罹らぬとでも思ったか?しかし、私も鬼ではない。正直、私はお前らには干渉するつもりはこれっぽっちもないのだ。今からする質問、要求に。」


「断る。」


「其方よ。今何と申した?この私の慈悲を峻拒するつもりか?」


「あぁ。我々は悪魔の囁きには屈しない。我々h」



「独裁者は消えた。再度問う。私に応えるか?」

 

「フォルティス様が死んだぞ。あいつをぶっ殺せー。我が騎士団に戦を仕掛けたらどうなるかをおm」


はぁ。これでは会話が成り立たない。異常者どもめ。


ブォォォォォブォォォォォブォッ


            〜城塞内にて〜 


「ついに我が街に来たか。戦況は?」


「最悪と言えるでしょう。騎士団長サクリフィーチュム様、同副団長フォルティス様は殉死したそうです。また、魔女3人の内1人が憑ったそうです。火の魔女ウェスタが。」


「もう、終わりか。私の人生も、この街も。窓の外でも見てみよう。街の最後を見よう。それが我々の責務だ。そうだ。お前は家族がいるのだったな。戻ってみてはどうだ。もう会えぬかもしれないぞ。」


「いいえ、私はここにいなければいけません。」


「本当にすまないな。」


男達は窓の外を見つめていた。


「あぁ、もう駄目だ。」



この町から名もなき吟遊詩人が残した詩が見つかっている。最後のだ。


ー戦火は絶えることなく吾々を焼き尽くさんとす。灼熱は彼等の闘争心を掻き消さんとす。干戈は遙なる大地を不毛の地にせんとす。

昊はあるべき色を失い、月の光をも遮る。視界は冥冥とし、人は人を探し、人に躓く。いづれ、ほのをも消え天地が繋がる。終焉が今来ようと私は何も疑問に思わないだろう。ー


ん?お前が最後か?呆気ないな。


「敬虔な信者は天国へ行った。私ももう直ぐにそこへ行く。その前に私がお前を殺す。お前は地獄に行くだろう。」


「ははは。」


私は苦笑した。


「お前らのその異常に自信がある所、私は好きだぞ。しかしな。周りを見ろ。この状況になって何を自惚れている。尻尾を巻いて逃げろ。雑魚め。」


最後の男は私に盾を構えて突撃してきた。私はその男を焼き殺した。 


それにしてもこの肉体はいい。頭はかなり良い。体のしなりも良い。魔法という物があった事には少々驚いた。これによりかなり残党処理が楽になった。しかし、まだこいつの頭の中を全て見切れていない。少し確認してみるか。技は全てで6種類か。


1つ目が効果範囲の敵を全て焼き尽くすと。2つ目が敵を死ぬまで追撃すると。3つ目が小さな隕石を生成し落とすと。かなり体力を消耗するな。4つ目が近くの火山を噴火させると。強いな。5つ目がこの世に存在する全ての水を溶岩に変えると…?駄目だろ。何でこんな技あんだよ。最後が奥義、地球に燃える巨大隕石を降らせ、地球が爆発すると。wwwwww3つ目の強化版か。これは無しだな。


まぁいい。体も決まった事だ。この町で威力を調べてみるか。 


木の城門ね。はい。じゃあ、隕石を落とすか。目の前に直径一メートル程の隕石が生成され、超スピードで落下した。結果、城門だけでなく近くの城壁も粉々に粉砕された。そして火が家々に燃え広がり町は平地となった。


私は新しい街へ向かった。しかし一つアクシデントが起きてしまった。軍の一行と鉢合わせたのだ。


「やあやあ、また街を潰したのか?君も面白い奴だな。確かに、漢なら生きた証拠を残したいと思うかもしれない。そして、君はそれを殺戮という形で実行した。殺すのは自由だ。しかし、それは私もだ。私も君を殺したい。いや、その魔法が使える体は殺さなければならない。」


私はこの男の考えに深く感心した。


「そうだ。その通りだ。お前とは友になれそうだ。しかしな。私は完璧を求める。そして、私は辛いのだ。お前の落魄れた姿を見るのは。今のお前は醜態だ。」


「そうか。では私を殺すのか。仲間になる気は無いのか。分かった。では始めよう。」


男がそういうと周りの奴は男に平伏した。


「は?何をやっているのだ?」


私は男に問うたが返事はなく男は攻撃をしてきた。男は魔法を操った。実に見事だった。私は男の研鑽された腕前に圧倒された。そして、私の体は首と胴体で分けられた。私は激怒した。そして、私は男に憑依をしようとした。


しかし男には憑依することができなかった。私は平伏している男の一人に憑依をした。すると奴は


「君もか。君も転生したのか。」


そう、言ってきた。そしてこう続けた。


「君はどうして死んだ?」


「そうか。お前も真実を知らないのだな?」


「ん?どういうことだ?」


「私は毒で殺されたのだ。お前がどうして死んだのかはしらないがな。君も毒で死んだのか?」


「そうだよ。それで君は何が不満なんだ?なんのために殺しをしているのだ?」


「簡単なことだ。私は女に殺されたのだ。そして、仕返しに殺し返した。するとその女の夫が私を殺した。それを殺して…といつの間にか街には肉塊しかなくなっていた。」


「ふーむ。では君h」


私はその男をナイフで刺し殺した。

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転生したので登場人物皆殺しにする 鵜山 定水 @monastic_knights

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