この日もあの日も青春

モリコ「大好きです!私と付き合ってくださいっ!」


ノリオ「ドストレートな告白さんきゅ。でも、無理。ゴメンな、大人になってもその気持ちが変わらなかったら…」


モリコ「そういう月並みなお返事いりません!」


ノリオ「いやでも、返事はいるだろ?」


モリコ「オーケイの返事以外は受け付けません!」


ノリオ「…はぁ、いいねぇ若いって。」


モリコ「ノリオ先生だって…七歳しか違わないじゃないですか!」


ノリオ「七歳も違えば十分オッサンだよ。年上への憧れなんてものはモリコ位の歳じゃよくある事。大丈夫、すぐに他に好きな奴ができるって。」


モリコ「…いや、私先生じゃなきゃいや!」


ノリオ「まぁ、今の今じゃな。一晩寝て…一週間も経てば多少覚めるだろ。ほら、あんまり遅くなるとお家の人も心配するぞ。暗くならない内に帰りなさい。」


モリコ「…かえらない」


ノリオ「え」


モリコ「帰りません!先生が好きって言ってくれるまで帰りません!!」



ノリオ「好きだ。」


モリコ「え」


ノリオ「おれは皆の事大好きだ!ヤンチャでも聞き分けなくても、わがままでも。みんな可愛い俺の生徒だよ。」


モリコ「そういうのじゃない!」


ノリオ「『好き』って感情はこれしかないよ。」


モリコ「みんなと一緒の好きじゃやだ…。」


ノリオ「はぁ…。恋も、それに失恋も、これから沢山経験するだろ

う。これはその一つだ。積み重ねていつかこの人って相手に出会うんだよ。お前まだ十七だろ?これからだよ。」


モリコ「…帰ります。」


ノリオ「分かってくれて良かった。気をつけて帰れよ!また明日な。」


モリコ「さようなら。」


ノリオ「(扉がしまる)…はぁ、やれやれ。ここに来て急にモテだしたなぁ。今月で三回目。出来れば学生時代に経験したかった~なんて。皆の気持ちは分かるよ、俺の初恋も教育実習できた先生だったし。…玉砕だったけど。今どうしてるかなぁ。」

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【フリー台本】サラリとは読めなさそうな諸々 菜梨タレ蔵 @agebu0417

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