第3話

「カズマ、次の対戦相手が決まった」

影がリストを和馬にさしだした。

「光速の二十五万倍のパンチスピードを

誇るチャレンジャーだ。手強いぞ」

ここでは毎日、拳闘大会が開かれていて

勝った者には刑期の軽減が約束

されていた。

とはいえ、相手は途轍もなく強い

相手ばかりで、軽減されるものは

殆どいなかった。

「オマエは今、56戦全敗だ。このままでは

死刑しかなくなるぞ」

「チャンスをくれ」

カズマが必死に影に縋りついた。

「今度は勝って見せる」

「オマエの特訓相手だ」

影がまたリストを差し出した。

「高倉凛子。オマエの恋人だ」

影がまたにやりと笑った。

「宋海流師範代の腕前だ。不服はあるまい」

影がそう付け加えた。



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不沈監獄絶望島 @k0905f0905

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