生徒会の日常

@tukigamiuser

プロローグ

幼稚園の頃、僕たちは仲が良かったらしい。

みんなで絵本を読んだり、折り紙をしたり、外で遊んだり と毎日楽しく遊んでいたと

お母さんが言ってた。僕も、そんなに記憶には残ってないけど、楽しかったっていう思い出だけはあるんだ。でもそんな日々をいくら思い出そうとしても、鮮明には思い出せないし、そこまでの仲に戻れるはずもないんだ。

なぜかって?みんな離れ離れになってしまったからだよ。物理的にも、心理的にもね。

でもいつかは取り戻してみせる。

何が何でもね。



「南斗〜学校遅刻するわよ〜」

「わかってるよ!!」

僕は、早川南斗(ハヤカワミナト)。

高校1年生だ。サッカー部に所属している。

中学の頃は強豪のクラブチームにいて、スタメンだったこともあり、この高校のサッカー部はあまり強くないので、スタメンは

お手のもの。まぁそんなことより、昨日は夜更かししすぎてしまった。

お母さんは毎日口うるさく注意を言ってくる。ここはひいて、大人しく学校に行くか。


僕の家から高校までは然程遠くない。

なので、走ったらすぐ着くんだ。今日も間に合いそうだな〜


「南斗〜」

「おっ、庄吾か。」

「そうだよ。お前今日いつもより遅くないか?」

「夜ふかししたんだよ。」

「またプロミラか〜?」

「そうだよ。」


彼の名前は、平地庄吾(ヒラチショウゴ)。

剣道部の部長で、俺と同じ高校2年生。

幼馴染だ。勉強は僕より少し下で、運動神経も少し下かな。本人に言ったら、怒られるけどね。


「呑気だな〜。少しは勉強しろよ?」

「いいよ。勉強なんて。授業聞けばわかるだろ。」

「その考えでいられることが羨ましいよ。」

「ドンマイ。ほら、そんなこと言ってる間に学校着いたな。さぁ今日も1日頑張りますかね〜。」

「仕事かよ。」

「俺にとっては仕事だよ」

「左様ですか。」


僕は庄吾と別れた後、自分の教室に向かった。


「おはよ〜南斗」

「おはよう百合」

「今日は、暑くなりそうだね〜。」

「そうだな。」

「今日も一緒にお弁当食べようね。」

「了解。場所はいつものとこでいいか?」

「いいよ!楽しみにしてるね。それじゃ!」

「おう!」


今のは、小花百合(オバナユリ)。幼馴染で、僕の彼女である。中学2年の時に僕から告白し、晴れて付き合うことになった。今も、

ほぼ毎日、一緒に弁当を食べている。

もちろん、他のこともいろいろした。だが、

それはまだいいだろう。


ザワザワ


さっきは気づかなかったが、今日はなんだかいつも以上にクラスが騒がしい気がするな。


 「ね〜今日転校生来るらしいよ。」

 「マジ⁉︎ちょー楽しみじゃん。」


ふーん。転校生が来るのか。

嫌なやつじゃなきゃいいけどな。


キーンコーンカーンコーン


 「姿勢!礼!」

 「お願いします!」

「それでは、朝のホームルームを始める。

その前に。今日からこの学校に転入する転校生を紹介する。入ってこい。」


ガララ。古いドアの音が鳴り響きながら、クラスの全員が、入ってくる人に視線を向けた。

僕はその人を見た途端、驚いてしまった。


「軽く自己紹介をしてくれ。」

「はい。皆さんこんにちは。今日からこの学校に転入します。斗北優志(トキタユウシ)といいます。これからよろしくお願いします。」


まじかよ。幼稚園から小学校の4年ま同じ学校の友達だった、優志じゃないか。久しぶりだな。話せる友達が増えてよかったよ。









この2人の再会が後にこの高校に名を残す、

『表裏式生徒会(ヒョウリシキセイトカイ)』誕生のきっかけとなるのであった。


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