6
「また……会えるかな?」
「会えるわよ、地球は思っているよりも狭いんだから……」
「そうだね」
SNSとかを使っての無駄な連絡は必要ない。ただ、
誰に作り出された訳でもない、時間の悪戯によって会いたいと思った。そう言うものの方が凄く大切に思えるから。
「頑張んなさいよ、仕事!」
「うん、頑張るよ!」
わたしは
この笑顔は、わたしだけのものだった。いつまでもわたしだけの手の中に留めておきたかった。でも、そこから抜け出したのは
雨の中、傘も差さず立ち去ろうとする優斗の背中は、あの頃より大きく見えた。
わたしは再度
雨はまだ降り続けている。しかし、雲の切れ間から青空が見えていて、後ろ姿は光射す彼方の空の中に溶け込むように消えていこうとしている、
わたしが全ての力で追い続けたほんの小さな……でもとても大切な……夢そのものだった。
それは
「
わたしは久しぶりに名前を呼び、
「元気でね!」
背中に抱き付き、別れの挨拶のつもりでわたしは言った。
「うん、
優しい
驚いている
「See you again……」
わたしは傘を
時の定めがもしわたし達を結びつけるとするならば、この先
ずっと言えなかった『愛している』という気持ち。それはカタチを変えても、それはちゃんとわたしの中に息づいていた。
そして押し付けた傘が、いつしか再びわたしの手に戻ってくることを願ってみよう。
1年前の小さな傷は誰にも気づかれることなく、光射す雨の空に消えた。
Fin
‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/‗/
オリジナルキャラクターの詩遠のイラストを描いて、
思いついて作った物語です。
どろどろビター情愛は苦手なので、甘い感じで書いたラノベです。
最後までご覧いただきありがとうございました
朝霧 巡
See you again…… 朝霧 巡 @oracion_001
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