プロにはならないの?
「あとはあそこの1パーティーだけだね。スナイパーで1ピック取ってから詰めたいな」
今日は世界中でプレイヤーが1億人以上もいる大人気fpsゲーム『Heroic shooters』をプレイしていた。1パーティー3人が20組の合計60人がフィールドを駆け回りお互いを撃ち合うゲームであり、その爽快性から多くの人から人気を博している。
現在の残り部隊数は皙のパーティーと敵のパーティーの2つのみで、この戦闘に勝った方がチャンピオン部隊となれる状態だった。皙は癖の少ないサブマシンガンと、持ち回しが悪いが超火力のスナイパーライフルを所持しており、このスナイパーで相手を1人倒してから近距離戦に持ち込もうとしていた。
「頭出せぇ、ヘッショヘッショ〜ヘッショしかいらん。そろそろ移動しなきゃきついだろ?出てこいヘッショしてやるから。…おっけヘッショ!プッシュしよう!!」
狙い通り相手を1人倒してそのまま詰める。人数有利を活かしてそのままチャンピオンとなった。
「いやぁgg。味方さん2人ともめっちゃ上手かったね。やりたいこと伝えたら協力してくれたし凄いやりやすかったわ」
コメント
【有言実行すぎてまじでかっこいい】
【gg】
【味方さん大会とか出てるプロの人達っぽい】
【エイムもキャラコンも本当に綺麗見てて気持ちいい】
【3連ちゃんぽんか...】
【プロになるとか考えてないの?】
コメント欄を見てみると、プレイを賞賛する言葉やちょっとした情報が流れていた。
「プロの人のデュオだったのか、そりゃ強いわけだな。あー、俺はプロにならないのかって結構聞かれるけど、あんま考えてないんだよね。やっぱりまだ大学生で融通効かない時間も多いし、いろんなゲームやっていたいしって感じで」
コメント
【結構良い大学通ってるんだっけ】
【配信しながらちゃんと大学行ってるのまじで尊敬する】
【なお友達はいない模様】
【プロになってもならなくてもなつが配信してくれるならどっちでもいいかな】
「大学にはいないけど高校の同級生とか普通に友達いるからな。身バレが怖いから極力喋んないだけだお前らみたいなコミュ障と一緒にすんな。孤高なんだよ俺は」
コメント欄の雰囲気がひっくり返り、リスナーとのプロレスが始まった。過度に自分が褒められている状態が恥ずかしく感じてしまうので、リスナー達に悟られないように話題を転換する一種の方法である。
「俺のオーラが凄すぎてみんな近づいて来ないんだよ。エリートでごめんね!」
コメント
【喋んな】
【は?】
【孤高と孤独を履き違えていますよクソ陰キャ】
【うんこ色のオーラ放ってるんだろ】
【は?】
【顔出ししろ】
「配信して欲しいって言ってるのに喋んなってなんだよ!ばーか!!うんこ!!!」
プロレスを楽しんでいるとゲームのリザルトが表示されていた。今の試合での活躍分のポイント集計が終わり、『98位』という数字がモニター上にはあった。その数字が示すところは
「おぉ、サーバー内ランキング2桁乗ったぞ!シーズン終わりまでキープできるように頑張るか〜!!」
コメント
【すげぇ!!】
【おめでとうございます!】
【なぎch:すごーい!!おめでとー!!】
【1桁いけるんじゃね?w】
【なぎちゃん見てる!】
【2桁キープするのか!!】
「おうみんなありがとな。なぎもあり〜。今度またデュオでやろうぜ」
そう言って椅子の背にもたれかかり、大きく伸びをする。
「んっっ、ふぅぅ〜!丁度2桁乗ったし結構長い時間やったから今日はこの辺までにしとくか!明日起きて飯入って風呂食ったら配信するわ。お前らも早く寝てまた明日見に来てくれ。」
疲れからシンプルに言葉を間違えながら配信を終了した。そのままお風呂に入って布団で気持ちよく一日を終えた。
この学生配信者、ゲームが上手すぎる! @vamflo
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