江ノ島
西しまこ
「江ノ島に行こう」
「江ノ島に行こう」と夫に誘われて夕闇の迫りくるなか鞄持ちたり
久方の江ノ島の駅「くらげだよ!」「出口も変わった!」竜宮の駅
店並みも入れ替わりあり「あれ前は何だったかな?」「コンビニかもね」
地下道を抜けて海見ゆ 暗き中波音だけが耳に届きて
江ノ島へ渡せる橋に吹きわたる風がさらうよ 我が髪と心
小さき手をとりてゆきし いつ着くと思った橋も今は短し
「強風に飛んでゆくって思ったね」歩き始めの
昼なかに四人で行きし幻を映しだす
「エスカーに乗るよ」と券を買う 展望台光集めて美しく
虹色に光り光りて 宵闇に浮かびて人呼ぶイルミネーション
光の子散らほら落ちて動きたり 暗き夜道が愛しく思える
「しまちゃんといっしょに来たかった。よかったよ」
イルミネーション見ながらお茶して
遠くまで街並み見ゆる展望台 小さな夜景浮かび上がりて
仄暗き街の
目を細め夜景を眺む 海の街ひとつひとつの
「スマホのがきれいに撮れるよ」「本当だ!…ねえ今度一眼レフ買って欲しい」
強風に木の葉ざわめき虹色のすぐ隣には闇の落ちたる
帰り道 暗き石段下りゆきて前行くひとが
「来年もまた見に来よう」ひかり背に家路急ぐよ 子の顔思って
江ノ島 西しまこ @nishi-shima
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★87 エッセイ・ノンフィクション 連載中 131話
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