ビデオ13番目

健さん

第1話

俺は、かなり霊感体質ではないかと思う。毎回というわけではないが、人が多く集まるところに行けば、”波長”が合うと”霊”が見える時がある。ある夏の夜。近くの河川敷で花火大会があった。俺は、1人で芝生に座ってビールを飲みながら打ちあがる花火を見ていた(たーまや~!!)俺の周りはもう人で埋め尽くされていた。すると、どこからか現れたのか若い女性の声で「花火、綺麗だわ。」と言って、突然、「ちょっといいですか?」「はい、なんでしょう?」「青森の恐山にはどうゆう風に行ったら行けるの?」「はあ~!?」俺は的外れな質問に驚いて彼女を見たが、もうすでに、”消えていた”。こんな人ゴミのなかから、ほんの数秒でいなくなるわけがない。物理的に。恐らく”霊”だったのだろう?こうゆう霊体験には、枚挙にいとまがないぐらい体験してるいる。よって趣味といえるかわからないが、心霊スポットとか、全国にビデオカメラで撮影するのが好きで、今まで撮影したビデオが、けっこうある。”霊らしきもの”が、映っているのもあるし、”本物”が、映ってあるのもある。中でも気に入っている1本がある。そのビデオには13カット撮影してあり、中でもこのビデオは、リアリティーがある作品だ。トンネルの中を撮影していたら、作業着風の男の霊が、追いかけてきた物とか、墓を撮影したら、墓の横から、老婆が、出てきたとか、、。そのビデオを、暇な時にたま~に見る。いつだったか、また見たのだが、10カット位のところで、寝てしまい気づいた時はもう終わっていた。やはり霊的なものだからか、見ていてよく眠くなり13カット全部見る時もあるが、何もないが、ジンクスか?全部見ないと何かしらの霊障が起きるのである。頭が、割れそうに痛くなったり、めまいがして、吐き気も伴う。そうなると、近くの神社にてお祓いをしてもらうのである。すると、神主さんは、「もうそのビデオ見るのやめなさい。供養するから、持って来なさい。」と、行くたびに言われる。それから、何か月かしてまたこのビデオを見たのだが、不覚にもまた途中で眠ってしまい最後まで見れなかった。その夜は、寝ていると、いきなり金縛りにあい”若い女の霊”が俺にまたがり、首を絞めつけるのである。それで今回は、知り合いの霊能者に見てもらった。40代の女性だ。すると、霊視すると、言った。「そのビデオの最後の13番目に問題が、あるようです。」と、言った。たしか、13番目は、、、。そうだ、知り合いのアパートで、その知り合いの隣の部屋で若い女性が、自殺したというので、撮影に行った。いわゆる事故物件であるが、たまたま、鍵が開いていて、部屋の中を撮影することが、できたのだが、、、。そうか、俺の首を絞めたのは、自殺した女だ。ビデオの撮影内容は、玄関から中に入り左側は、トイレ。そして右側が風呂場と洗面所になっていて、さらに中に入ると、2間部屋があり、その向かって左側の部屋にカメラを向けると、かすかに女の顔が浮かび上がり、何やら聞こえてくるのである。(ワタシサビシイノ。)”おわかりいただけただろうか”。そして、俺はびっくりして、引き返すという場面になっている。前に近くの河川敷に花火大会に行ったときに遭遇したあの若い女性も、彼女だったかもしれない。暗くてはっきり顔は見えなかったが。そして、霊能者に聞いた。「どうすればいいでしょうか?」すると霊能者は、言った。「今日は、除霊しますが、今度そのビデオを見る時は、寂しさで自殺したみたいなので、最後まで、見てやることですね。自分のこと、わかって欲しいのよ。」もう、あのビデオ見るのよそうと決めた。そうだ!明日神社に持って行こう!と寝た。すると、いきなり、”キーン”という耳鳴りがして目を開けるとまた、”あの女”が、俺の上にいるではないか!!「わ~~!!もう許してください!」すると、その女は、「ビデオを神社に持っていかないで!!私、寂しいの!」と言った。俺は、気を失った。翌朝。(随分と”彼女”に気に入れられたものだな。)そして俺は、どうして、この棚にあるのか?どこでもらったのか、(買ってはいない!)よく覚えていないが、パンダのぬいぐるみが、棚にあるのだが、そこに一緒にこの、”いわくつき”のビデオを置いた。すると、そのパンダ、少し笑った気がした。

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