第20話

11時ごろに駅前集合とのことだったので10時45分に着くようにしようと少し早めの電車に乗り揺られる。

この時間は好k............(繰り返しのため以下略)

とまぁ、なんだかんだいろいろありながらも時間の20分前に駅について待機する...はずだったのだが

「陸人さんこんにちは」

「あっ、うん。こんにちは」

なぜかすでにいるというね。

遠山さんは前回出会った時と違って私服だった。白いシャツに青色のカーディガンを着て下はズボン。完全にテレビとか雑誌で見るようなモデルみたいだった。

本人の素材が優れているっていうのもあるんだろうけども清楚な感じがあっていいと思う。

...世の中には清楚を名乗るやばい人もいっぱいいるからね。

ところで今は10時45分。待ち合わせよりも早く来ているのにもかかわらず遠山さんはすでにそこに立っている。

あれ?僕集合時間ミスった?

遠山さんは平気そうな顔こそしているもののよく見ると汗をかいているし、今日はまだそこまで暑くないとは言えどもこんな気温の中で動いたり長時間立っていたら汗ばむ程度。

ということは.........。

「ねぇ...一つだけ聞いてもいい?」

「なんですか?」

「君何時にここに来たの?」

「30分前です!」

「...........................え?」

「だから30分前です!」

「............誠に申し訳ありませんでした」

とりあえず土下座。汚れて困る服というわけでもないのでとりあえず土下座。

まだそこまで暑くないとは言えども直射日光がしっかりと当たる場所に30分も放っておいたことになる。それも素直ないい子に。

「ちょっ、陸人さん!?いろんな人が見てるから立ってください!」

「はい...」

さすがに外で土下座はだめか...。

真昼なら喜んで踏んできそうなものだけれども。類は友を呼ぶとはいうが全く違うじゃないか。真昼みたいなやつの友人とは思えない。

だって人格破綻してないんだもの。

よくよく考えたら僕の周りの女性の友人って変な人多くない?

先輩は電車の中で痴漢してたでしょ?というわけで変態じゃん。真昼は人格破綻者。異論は認めない。......僕自身あんまり真昼のこと知らないから今までの情報からの推測でしかないけれども。

宵宮さんは何というかがっつりギャルって感じ。

まぁ、この面子の中ではまだましな方なのか...?

他のやつは...まぁ、気にするだけ無駄か。やめよう。

「あ、言うのが遅れたけど服に合ってるよ」

とりあえず服は最低でも褒めるべきらしいからちゃんと褒めておく。

なんかの本で読んだ気がする。......ライトノベルか。

「あ、ありがとうございます...」

なにこれ、さらに空気感が死んだんだけど....!?

あ、あれか、そっか、僕みたいなやつにほめられたところでうれしくないしきもちわるいよね、ごめんね、こんなやつで。

「とっ、とりあえず目的地へ行きましょう!」

おそらくだけど僕がこれ以上醜態をさらす前に連れて行ってくれるんだろう。

ほんとにやさしいよね遠山さん。

それに比べて僕は...あははははは。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

電車の中で再開した先輩はおかしくなっていたようです roriko-nn @ichika0120

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ