エピローグ:旅の結節点、エスペランザ

 いつの間に寝てしまったのでしょうか。カタンコトンと揺れる列車の中で私は目を覚ましました。


 もうすでに随分帰ってきた筈なのに、早朝に発ったベルザンテについさっきまでいたような気がします。ノスティアから列車に長いこと乗っていますから、シグマットを通った覚えが無いのは既にその前に寝てたからでしょう。


 時は夕方、いつまでも続く草原と家に朝日がぼんやりとかかっていまして、旅の終わりを優しく告げていて。もうすぐエスペランザに到着との案内が響きます。


 はて、今頃カラル君は何してるんでしょうかね。シグマットの道もまた歩きたいし、ノスティアの旅館の食事は日替わりと聞きました、今夜はどんなものが出てるのですか?


 まあだいたいそんなことを考えている内に、列車が段々と速度を下げています。荷物を纏めて降りる準備をしましょうか。カタンコトンとゆっくりと、この電車も最初は大きくてちょっと恐ろしいようにも思えましたが、今ではいい友達です。


 扉が開き、夕日の眩しさに目を細めて。私の旅の終点、エスペランザに到着です。私が降りるとすぐに列車は向こうに走っていきました、あれの終点はまだみたい。








 さて、帰りましょうか。久しぶりに主人様に会うわけですからすこし緊張しますね……

 ホームの長椅子に何か人影があります手を振ってくれました。あれって主人様じゃないですか、どうしてそこにいるんです、家で待ってればいいのに。


 まあいいか。一緒に帰りましょう。

















 私の最初の旅はこれにて終わりです。お付き合い頂き感謝します。

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ノイのぼうけんきろく シグナル @stasis66557744

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