第3話 準備

 「準備と言っても一体何をすればいいんだ?」


「そうですね……まずは武器屋に行ってみますか?」


「そうだな。そうしよう。」


俺達は武器屋に向かった。


「どうも!ここは武器屋です!なにか買いますか?」


店につくと商人が明るく話しかけてきた。


「何があるんだ?」


「そうですね……職業によって使える武器が違うので貴方達の職業を伺っても宜しいですか?」


「俺が商人でこっちが僧侶だ。」


「おっ!同業者の方ですか。では……こちらの武器はどうでしょう?」


商人は銃のようなものを出した。


「これは魔法銃という武器です。これはまだ試作品なので安くしときますよ。」


商人曰くこの銃は魔法力だけで動くらしい。これがあればある程度戦えるだろう。しかし、そこで俺は重要な事に気づいた。


「なぁ……俺達ってお金持ってたっけ?」


俺は桜に小声で聞いた。


「あ……完全に忘れてましたね……どうします?」


「いや……ほんとにどうしよう……」


「お二人さん!さっきからどうしたんです?コソコソ話して……」


「いや……ちょっと……今お金が無いみたいなので……」


「あぁそうですか。じゃあ帰ってください。そしてお金が貯まったらまた来てください。」


「はい。分かりました。ありがとうございました~」


俺達は店を出た。


「この世界ってどうやってお金を貯めるんだろう?やっぱりモンスターを倒すしか無いのか?」


「スライムぐらいなら素手で倒せるんじゃないですか?」


「いや……倒せたとしても瀕死だろ……」


「私は僧侶ですよ?回復ぐらいお手の物です。」


「だとしてもきついって。」


「死にはしませんから大丈夫ですって。この作戦で行きましょう。」


その後、俺はその作戦を反対したが結局は実行することになってしまった。

そして俺達は今、町の外に来ていた。


「あっ!あそこに野生のスライムが一匹いますよ!さぁ行きましょう!」


「もうどうにでもなれ~おら!」


俺は助走をつけてスライムに突進した。

しかし、スライムに避けられカウンターを食らってしまった。


「痛い!普通に人間に殴られたぐらい痛い!」


俺は腕を適当に振り回した。

幸運な事にその腕がスライムにクリティカルヒットした。

スライムは煙となって消え、お金だけが残った。


「2ゴールドだ!やった~」


「お疲れ様です。今魔法をかけますね。」


「ありがとう。痛みがなくなったよ。でもこれで2ゴールドか……あの銃は30ゴールドぐらいだったからあと14回も繰り返さないといけないのか……」


地獄だ……しかし、その地獄も慣れてしまえばなんてこと無かった。


「よし!これくらいかな……」


俺は気付けば60ゴールドを持っていた。


「えっ……俺そんなに倒したっけ?」


「凄いですね!私は英樹さんがダメージを受けなくなった頃から寝てたので気づかなかったです。」


「えっ……寝てたの?」


「あっ……いや……何でも無いです。」


「そうだよな。流石に寝てたわけないよな。」


「そうですよ〜早速武器屋に行きましょう!」


「そうだな……早くしないと日が暮れてしまうしな……」


俺達は再び武器屋に向かった。

「どうも!ここは武器屋です!あっあなた方ですか。ここに来たという事はお金が貯まったということですね?」


「あぁそうだ。あの銃とそこにある僧侶用の槍を下さい。」


「50ゴールドになります。」


俺は50ゴールドを渡した。

「はい!丁度いただきました。またのご利用をお待ちしております。」


俺達は武器を受け取って店を出た。


「いいんですか?私に槍を買って……」


「いいんだよ。死んでもらっちゃ困るからな。」


「ありがとうございます!」


「じゃあ早速装備してみるか!」


俺達はそれぞれの武器を装備した。


「おお軽いなこの銃。」


「この槍も軽くて使いやすそうです。」


「よし!じゃあ依頼を達成しに行くか!」


「いや……ちょっと待って下さい。もう日が暮れそうです。今日はもう宿に泊まって明日に依頼を達成しに行きましょう。」


「それもそうだな。じゃあ行くか。」


俺達は宿に向かった。

「いらっしゃいませ~旅人の休息の宿ヘようこそ。二名様ですね?10ゴールドとなります。」


「ぎりぎり足りるな。」


「丁度お預かりしました。どうぞ。部屋の鍵です。それではごゆっくり〜」


俺達は部屋に入るとすぐに泥のように眠った……







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転生したら商人でした! 杜鵑花 @tokenka

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