日々に横たわる
大式計
日々に横たわる
肯定も否定もしないかみさまがかみさまだけが知っているズル
着替えられずいつから着てるかこの服は皮膚となって脱げなくなるよ
なんとなく観終えたビデオそのままにエンドロールがまた流れてる
罪悪の重さに潰れて寝込むのに病名はなく不適合だと
天井と目が合っていて逸らせないままに寝返り打っても合う目
薄明かりだけが射し込む午前九時休みの電話は二分で終わる
頓服も丸めた背中も効かなくて目を閉じた先ふと見た校舎
大袈裟に聞こえる物音、静かでしょわたしの部屋は無菌室かも
レトルトのお粥をそのまま食べるから冷たさだけが喉を蝕む
鬱だって言われていればあんしんでそれすら消えたら朽ちる標識
あたたかなふとんのなかでなけるほどあまえていいのかわからずねむる
通知 いのちのなまえ 知らされて 電源落とすわたしは勝手
思い出す嫌いな母の手料理と不器用な手の撫で方なんて
泣くことの代わりの雨がこれならばもっとふざけて降ってもいいのに
呼気吸気 部屋に充満した悲観フローリングに落ちては冷える
伸ばしたら冷たい布団がまだそこに静かに戻す臆病な足
ひたひたと鳴らす足音暗がりで生きてくために
もういいと、出した答えを否定するまだ読んでいない本の背表紙
祈るよ 無意味と知ってても賛美歌の無いここがわたしの教会
この雨とざわつく胸に足りてないあの日の匂いはオキシドール
日々に横たわる 大式計 @shunenne
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