【あとがき】

 ホラー小説【糸と鎖】を最後まで読んでいただきありがとうございます。


 私は霊媒体質で幼い頃から多くの霊体験をしてきました。そんな私がホラー小説を書くからには、より身近に感じられる恐怖を伝えるべき。そんな想いを込めて完成させました。


 ホラーの楽しみ方は人それぞれ、自由です。

 ただし、以下の点には注意してください。

 

 自分には無関係な話。

 

 赤の他人の身に起きた事件。

 

 だから当然、自分が巻き込まれることなんてない、と。

 

 あくまでも自分は画面の外から眺める傍観者であり、当事者にはなり得ない存在だと。


 でもね。

 そんなルールは、それこそ関係ありません。


 この世界を生きる者に、死者の世界のルールを知り得る術はないのです。  

 自分は大丈夫。私は違う。私だけは……なんて。

 本当にそうでしょうか?


 そうです。今この瞬間、これをご覧になっている貴方にとっても、決して他人事なんかではありません。

 ほら、人は皆、都合良く自分を脚色しちゃうでしょ。

 

 自分が物語の主人公であると錯覚する。

 ホラー映画を観ていれば、最後まで生き残る主人公に対し、自分の姿を重ねてしまうのかもしれませんが、違いますよ。

 

 貴方だって、序盤に殺されてしまう可能性があるんです。


 よろしいですか?


 本当の恐怖は、貴方のすぐ傍に存在する。

 その入口に今日、貴方は立ってしまったのです。



黒田十羽

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糸と鎖 黒田十羽 @towa-kuroda

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