第一侯爵

@atachyy

プロローグ 魑魅(チミ)

 大夏成元三年六月十八日、天狗に日が呑まれ、周りが瞬時に暗くなった。幸いに下東県はこの日のための準備をしており、官民一斉にどらと太鼓を叩き、天狗を除けた。にも関わらず、人々は安心できず、三日間昼夜問わず街頭に集まっていた。

 天狗が除けたが、後に怪しい噂も広まってきた。

 中心街の路肩で避難していた一人の百姓がとうとう眠さに耐え切れず、周りのチンピラに煽られ、家に戻って寝てみることを決心した。だけど、家の前の巷に近づいたとき、怪しい人たちのグループに遭遇した。。。

 “あの人たちは身長1丈(2メートル)あり、黒い服を着て、五色の旗を振り、凶悪な面をしていた”

 “百姓は驚いて大声を出してから、手に持った提灯が地に落ちて燃えていた。そしたらその怪しい人たちは瞬く間に壁の隙間に消え去っていた”

 


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