第68話

「かななんよ」


かななんを、本部に呼び出し

玉座から、語りかける

アメヘダップ


「はい

アメヘダップ様」


アメヘダップを、見つめる

かななん


「少々

功を あせりすぎたかの??」


やさしく、問いかける アメヘダップ


「すいません」


ペコッと、頭を下げる かななん


「いや

次からは 事前に ターゲットの

すり合わせを するのじゃぞ」


軽く、いさめる


「はい

申し訳ございませんでした」


また、ペコッと 頭を下げる

かななん


「うむ

下がってよいぞ」


「はい」


ハンター本部の、建物を出る。


「どうだったの??」


階段を、降りたところに

ねるなのが、待っていて

声を、かける。


「うーん

次からは ターゲットを

言わないと いけないって」


ちょっと、頬を 膨らませる

かななん


「そうなんだね」


少し、悲しそうな表情の

ねるなの


「迷惑かけたわね」


苦笑いする かななん


「ううん

大丈夫よ」


ニッコリ笑う ねるなの


その頃


「やっぱり

連絡は 取りにくいかな??」


母親と、しばらく電話も

全然していない多香緒

避けていたので、第一声が

難しい。

その様子を、やさしく

見守る メイジイ


「うーん

とりあえず メッセ送ります」


スマートフォンに、向き合う

多香緒


「うん

勇気出して」


両手に、拳を握り

エールを、送る メイジイ


「はい」


メイジイに、背中を押され

文面を、悩みながら綴り

「お久しぶりです」と

短く送ると


『久しぶりね

どうしたの??』


と、素早く返信が来る。


『久しぶりに

あいたいです』


『そう

いつでもイイわよ』


『仕事

大丈夫ですか??』


『うん

ターちゃんの 都合に

あわせて あげる』


『そうなんだ

今度の 日曜日は

どうですか??』


『うん

何時にする??』


『朝の 10時くらいで

どうでしょうか??』


『うん

場所は??』


『あの

ファミレスで

どうでしょうか??』


『はーい

オッケーよ』


『では』


あっけなく、予定日が決まる。


「とりあえず

アポ取ったよ」


少し、安心する 多香緒


「やったじゃん

一歩前進ね」


満面の笑みの メイジイ


「ありがとうございます

メイジイさんの

おかげです」


自分のことのように、喜ぶ

メイジイに、心から感謝する

多香緒


「ちょっとぉ

わたしは なにも

してないわ」


両手を、振る メイジイ


「いえ

メイジイさんが いて

くれたから

母に 立ち向かうことが

出来ました」


「そんな

大袈裟な」


そして、当日の日曜日


「この

ファミレスかぁ」


メイジイと、多香緒が

店の前で、様子を うかがう。

それを、離れた場所で

見守る アリス


ピポポ・・・ピポポ


店内に、入ると視線を感じる。


「おぅ

来たみたいだぜ

護衛は 女 1人みたいだから

オレは 帰るよ」


多香緒の母親と、同席していた

男だけ、立ち上がる。


「うん

忙しいのに ありがとうね」


礼を、言う 多香緒の母親。


「それじゃ」


多香緒の母に、右手を振り

レジの方向へ、歩きだす 男。


「いらっしゃいませ」


多香緒は、店員より

向こうから、歩いて来る

男の顔に、釘付けとなる。


「なんで」


その頃


「う………」


 千葉の南部にある病院で、一人の男の意識が回復する。


「あっ、意識が。先生!」


 ナースが、先生を呼びに行って、


「おぉ、本当だ」


 先生が、診療する。


「ここ、は?」


 状況を、飲み込めない男。


「ここは、病院ですよ。お名前言えますか?」


 ナースが、そう言うが、


「………わからない」


 指の無くなった手を見る男。


「大丈夫。ゆっくり思い出しましょう」

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タカオタカオの奇行 なばば☆ @bananabanana1E

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