第67話
「ごめんなさい
何も言わず ホンコンから
帰国して」
あれから、数日が たち
ホンコンで、起きた騒動も
少し落ち着きつつある。
メイジイと、予定を合わせて
合流する 多香緒
「あぁ
メッセ 読んだから 全然
気にして ないよー」
あっけらかんと、話す メイジイ
「あの後
みなさん どうでした??」
いつもなら、賞金首を取ったら
ちょっとした、飲み会みたいな
行事が、開催されるが
これと言って、そういう話も
なく、今回 リーダーだった
安達太良とも、連絡がつかない
ので、少し ギスギスした
雰囲気を、感じている 多香緒
「あっ
多香緒ちゃんに
安達太良から 伝言があって」
少し、内容的に メッセより
直接、会って 話した方が良いと
メイジイが、判断して
黙っていた。
「えっ
なんだろう??」
身を、乗り出して 聞く 多香緒
なにかが、みんなに起きたと
察知する。
「実はね・・・」
数日前
ガチャリ
ビショップが、運ばれた病室から
安達太良が、出て来る。
だが、表情は かなり 雲っている。
「ねえ
ビショップの 容態は??」
安達太良の雰囲気から、ただならぬ
状態だと、腹を くくる。
「・・・彼女は
ヴァルハラに行った
多香緒にも そう言っておけ」
凍りつく、メイジイと アリス
その時の、ニュアンスを
どうしても、多香緒に
伝えられない。
「安達太良がね
多香緒ちゃんに
ビショップは
ヴァルハラって 遠いところに
行ったと」
メイジイは、もちろん
ヴァルハラが、死んだ戦士の魂が
行くところと、知っている。
でも、多香緒が知らないかもと
思って、言ってみる。
「ヴァルハラって
スペインとか あっちですか??」
メイジイは、内心 ホッとする。
せっかく、金杯の首を 取って
うれしい時に、水を ささなくて
よかったと。
「・・・それは
バルセロナね」
やらかす 多香緒に
苦笑いしながら、つっこむ メイジイ
「それじゃあ 水の都だ」
次は、イタリア
「ヴェネチアね
もっと 遠くへ行っちゃったんだ」
あくまでも、濁す メイジイ
「イイな~
あたしも 行きたいなぁ~」
うっとりと、遠くを見るような
多香緒
「多香緒ちゃんも
このまま 頑張っていれば
行けるよ」
知らない方が、イイのかもと
思う メイジイ
「ホントですかぁ
でも 今 アイドルの方が
忙しくて」
実は、帰国してすぐ
マネージャーと、一緒に
事務所の、社長のところに行き
話し合いに、なったが
社長からは、特に お叱りが
あるわけでも無く
ほぼほぼ、マネージャーの 木幹と
多香緒が、話し合って 終わった。
「そうなんだね」
「ホンコンから 帰ったら
200人 入れるところに
ぎゅうぎゅうに 来てくれる
ようになって」
嬉々として、語る 多香緒
「よかったじゃん
アイドルに 専念する
のも イイかもね」
やりたい事が あるのなら
ハンターなんて、やめた方がイイ
と、言う メイジイ
「なんだか 少しだけ
自信が ついたんですよね」
ほほえむ 多香緒
「うん
多香緒ちゃんが 狩った
マグヤネンが 折半で 賞金も
半分に 判断されて
落ち込んでるかと 思って
いたから 安心したわ」
あの後、誰の手柄か モメて
多少、騒動になり
「そうなんですよ
もう 勝負 ついていたのに
現地メンバーが 殺しちゃって
賞金が 半分に なっちゃった」
生け捕りボーナスも、消滅し
賞金も、半分の額しか
貰えない、最悪の事態だ。
「でも 危なく 全部 持って
いかれるところだったね」
それでも、現地メンバーが
ゴネるのを、ようやく半分
取り戻した格好だ。
「うん
ギフちゃんが 証言してくれて
助かったよ」
もし、あの場に ギフが いなかったら
と思うと、ゾッとする 多香緒
「そうなんだ
ホント よかった」
自分の、事の ように よろこぶ
メイジイ
「うん
アイドルが 忙しいから
ちょっと いろいろ先送りに
なっちゃってるから
そろそろ 片付けないと
夏休みが 終わっちゃう」
やり残したことが、色々ある。
「夏休みかぁ
高校1年だったっけ??」
「そうです
なんだか もっと
キラキラしたのを
想像してたのになぁ」
思っていた、学園生活を 送れて
いない。
「でも 金杯を
二人も 倒したって 話題に
なってるわよ」
ハンターの、業界では 多香緒の
話題で、持ちきりだ。
有名になって、父親を探すという
目的に向かい、一歩前進する。
「エヘヘ
後味は すっごく
悪いですけどね」
実は、生け捕りの裏話が
コワくなって、ハンターを
続けられるのか、悩んでいる。
「まぁ
ハンターって そんなものよ
まぁ ハンターじゃあない
わたしが言うのも
なんだけどね」
多少、自虐的に 話す メイジイ
「アハハ」
また数日前
バタム
メイジイたちに、ウソの説明をして
ドッと、疲れる 安達太良
病室に、戻る。
「なぁ
これで ホントよかったのか??」
ベッドに、横たわる
ビショップに、話しかける
安達太良
「えぇ
利き手が これじゃあ
廃業よ」
酸素マスクを、装着しているが
ビショップは、命に別状ない。
ただ、モロに 銃弾を受けた
右腕は、回復不能と診断される
状態になってしまった。
「左手で 銃を
握れば・・・」
なんとか、元気付けようとする
安達太良だが
「あの子たちに
こんな 無様な格好を
見せられないわ」
命を、取られなかっただけ
マシだが、こんな痛々しい
姿は、萎えるだけだと
判断する。
それに、手負いだと ウワサが
広がるのは、タブー だ。
「・・・うん
キミが そう言うなら」
イスに、へたりこみ
うなだれる 安達太良
「・・・プロポーズって
まだ 有効??」
ニッコリ笑いながら言う
ビショップ
「ああ
ビショップが その気なら」
「アハハ
冗談よ」
「オレは 本気だぜ」
「・・・ありがとう
愛してるわ」
「オレもだよ」
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