【俳句/連作】四季に魅入る

一年、四季を観る

ホーホケッキュ　去年の鳴き声　ホーホキュケッ

　隣家（りんか）建ち　陰から庭木が　にょきにょきと

　　ナメクジ（好敵手）に　競り負け苺は　収穫減

　　　春風に　オステオスペルマム　地べた這（は）う

　　　　青虫が　今年も捕まり　羽化を待つ

五月雨に　湿度が上がり　肌ぺかぺか

　雨音や　傘を差し出し　歌いだす

　　背比べ　向日葵（ひまわり）幼な子　すくすくと

　　　狙ってる　カラスはスイカの　スナイパー

　　　　はためいて　青輝き　服色褪（あ）せる

褐色の　首筋見送り　終わる夏

　土埃（ぼこり）　声援舞う青　高々と

　　川入る　止める我が声　とがる口

　　　かさかさと　風に舞う葉に　躍る手手

　　　　やきいもっの声待つ子の足　ぶらぶらと

友達は　おもちゃが来るよの　情報網

　ぽんぽこりん　大ご馳走に　ぽんぽこりん

　　どか雪に　子どもの声は　遠くなり

　　　バレンタイン　大盤振る舞い　チョコチョコデー

　　　　蕾桜（つぼみざくら）　撫でてまわるは　もみじの手