どうやったら読まれない小説になるかを考えてみる

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どうやったら読まれない小説かを考えてみる


 「負けに不思議の負けなし」と言います。


 成功や勝利については、運だったりタイミングだったり、再現性の無い要素が沢山あるので、こうすればうまくいくよ、という話は基本的にその通りにやってもうまくいかなかったりします。


 何故なら、その手法をやったところで、「誰が」「いつ」「何を」したかのうち、僕らに再現できるのは「何を」だけだからです。

 誰がやっても、いつやってもうまくいくこと以外は再現性がないですね。


 でも、逆にどうやったら失敗できるか、失敗する可能性を高められるか、については結構再現性があります。これをWEB小説という題材で考えるとどうなるかなということで、書いてみようかと。

 こうやったら読まれない、あるいは読まれにくい、読者を失う、というものをやらなければ、失敗からは遠ざかるはずですよねという考えです。



 僕は書いたものは読まれたい派です。

 勿論、そこに書きたいものがあるのは前提ですが、読まれなくてもいいから自分の書きたいものを書き続けるんだ、という拘りが少ない方だと言う方が正確でしょうか。

 そのため、僕は/私は、あくまで拘りをもって書いているから、読まれなくても気にしないという人はそっとブラウザバックでお願いします。


 まず最初に、元も子もない話をすると、正解なんて無いです。

 こう書くことが正しい、というのは人それぞれだからです。

 そのためこれから書くことは、読者歴が長く、そして一応書き手でもある人間としての恐らくこっちのほうが多数派だと思うよという独断と偏見に基づいた手記であることをご了承下さいませ。




【文頭下げをしないと読まれにくい?】


 これはですね、Twitterとかでもちらっと書いたりしてますが、僕は余程の拘りがなかったら下げたほうがいい派です。

 文頭下げって何?っていうと。僕の作品の冒頭で書かせてもらうと、以下な感じです。段落というか、文の最初に全角スペースを入れるか入れないかです。


下げた版

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 突然だが、僕の高校には佐藤一さとうはじめが二人いる。

 俗に言う同姓同名というやつだ。

 ネットで検索しても、沢山の『佐藤一』さんが検索結果に出てくる。かのウィキペディアにすら出てくるほどである。居すぎだろう佐藤一さん。

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下げてない版

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突然だが、僕の高校には佐藤一さとうはじめが二人いる。

俗に言う同姓同名というやつだ。

ネットで検索しても、沢山の『佐藤一』さんが検索結果に出てくる。かのウィキペディアにすら出てくるほどである。居すぎだろう佐藤一さん。

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 ちなみにセリフの「」や『』は下げません。

 この辺は、手持ちの文庫本などを見てもらえればと思います。


 個人的には、縦書きは下げないと違和感あるけど、横書きなら別にどっちでもええやんなんですけど。それでも僕は文頭は下げてます。

 何故そうしたほうがいいよって書くかいうとですね。どっちでもいいのであれば、やって損が無いと思うからです。


 縦書きと横書きという意味で、WEB小説と書籍の小説は書き方が違うと言われます。

 目が右上から左下へと動くか、左上から右下へと動くかで、読み手側の目線の動きも変わるので違うのは当然のことですね。読む層も違いますし。


 ただし、文頭下げについてのみ言えば、縦でも横でも、下げたことによって読みにくくなる事はないのではないでしょうか。

 そして、世の中には文頭下げしていないと、内容を読まずにブラウザバックする方も一定数存在するとのこと。実際コメントや呟きでも拝見したことがあります。

 対して、この作品、文頭下げしてるからブラウザバックしてやるぜって人は見たことがありません。居るのかもしれませんが少数派だと思われます。



 となると、この時点で勿体なくないですか?



 文頭下げ程度でブラバする人には読まれなくてもいいぜ! という強い意志があるなら止めませんが、書いてて文頭下げするのって手間では無いですしね。書籍化などを目指すなら特に、ワードに貼り付ける際にもより楽かと思いますし。

 もちろん既に沢山書いてしまったからもう無理ぽっていう方は居ると思いますが。


 ということで、こんな事で本来読んでくれていたかもしれない読み手の方を失うのは損だよね、という考えから僕は文頭下げはした方が良いんじゃないかなと思います。



 ちなみに三点リーダーとかも同じで、『・・・』か『……』かみたいな話もありますけど、大体ああいう話って三点リーダーじゃないと駄目な人と、どっちでもいいじゃん派が居て論争しています。それなら同じ理由で三点リーダーでよくね? って思います。

 !や?の後に空白を空けたほうがいいよねも同じ。

 この辺は、どっちの方が読む人が多いのか、という多数決で淡々と考えたほうが良いかなと思います。


 勿論修飾子とか末尾とかも同じです。これは、小説の書き方、とかで言われるやつですが。

 「また~」とか「しかし~」とか、この辺の表現が被ると文章のリズムが悪くなりますよね。

 後末尾も「~である」とか「だった」とかって連続にしないで、交互にしたりとかが良いとは言われているようです。

 


 結論。


『~じゃ駄目だよ派閥 VS どっちでもいいじゃん』系の争いは、自分の拘りが強すぎなければ、駄目だよ派閥も読者に加わってくれたほうが母数は増えますよね、です。

 





【設定とか人物紹介が最初に来る小説は読まれない?】


 これは僕の考えが本当に多数派かどうかというと、正直わかりません。

 ただですね、物語を読み始める時って、皆さん同じような動線をたどるとは思うのです。


 ① タイトルを見ます

 ② あらすじを読みます

 ③ (もしかしたら)レビューか感想を見ます

 ④ 1話目を読みます


 という流れだとは思うんですよ。


 ちょっと逸れますが、だからタイトルやあらすじは大事と言われるのですよね。

 尤も、どういうタイトルだと読まれるか、については、わかりません。誰か教えてください笑。短いとか長いとかありますけど、短くても目を引くとか、長くても目が滑るとかある上に好みも含まれて、多分読書歴でこういうタイトルが面白かったとかいう経験すら含まれてそうなので僕には判断が就きません。


 さて、そんな状況の中で、数ある中から①②③を突破して④まで来てくれた、あるいは自分が行った際に、そこで長々と設定集や人物紹介が出てくると、二重の意味で萎えてしまいます。

 前書きに、興味ない人は飛ばして下さい、とあったりはするんですよ?

 でもそもそもとして、初見の場合で設定や人物に興味津々な人ってあまりいなくないですかね。

 物語に興味を持って読んだ結果、面白かったからこそ、その先に設定が知りたくなるとは思うのです。


 そしてね、ネタバレって好きな人より嫌いな人のほうが多いと思うんですよ。多分。

 読んでいく中で設定を理解したいですし、登場人物がどんなキャラか知っていきたいと思うのです。


 だから、設定や人物紹介は最後か、活動報告とかに誘導するのがいいんじゃないかなって思います。


 僕も何度も、タイトルとあらすじで惹かれて、最初の数話が設定(読み飛ばして下さい)だと、そっと閉じたことが何度もあります。


 ということで、最初に物語じゃないものを持ってこないほうがいいよねーでした。




【詰め詰めの文章は読まれない??】


 これまた至る所で言われてますが、詰め詰めよりはいい感じに改行は空けたほうがいいと思います。

 勿論縦書きで公募とかする場合は空行は多用しないとは思いますよ、横書きの話です。

 ※まぁ元々の書籍が空いてないのは多分ですけど、読みやすさ以前に印刷しないといけなかったから無駄に空白あけたらページ数嵩んで、単価高くなるからだとは思います。


 さて、何故空けたほうがいいか、ですけど。

 これは理由を二つほど上げてみます。


 まずは、日本語っていうものについて考えて見るんですけど。

 どうやら日本語は縦書きが基本だったらしいですね。

 諸説あるみたいですけど、大本は中国の漢文が縦だったからみたいです。更にいうと、日本語って右から左に読んでた文字だったらしいです。縦書きでも横書きでも。


 対して左から右に読む横書きはどこ起因かというと、これは勿論アルファベット圏からです。

 書いてみるとわかりますけど、縦書きの英語とかめちゃくちゃ読みにくいです。右から左に読むとかもありえないですね。

 つまり、文字によっては縦が向いてるか横が向いてるかってのがあるのかなと。


 そう考えると、実は左から右に、横書きで読むのって文字種によって向いているかどうかの差があるのではないでしょうか。

 文字というものが縦に向いてるか横に向いてるかですね。

 そして、日本語は横書きに比較的向いてないから、縦書きと同じように詰め詰めだと読みにくい人が多いんじゃないかなぁと思ったりしてます。必ず上から下に書く文字ですし。アルファベットは、Aとかですでにそうですけど、左下から上に書きますよね。日本語は下から上に書く文字って(多分きっと)無いんですよ。



 次になんですけど、そもそも文章文脈を正しく読める人ってそこまで多くないんじゃないかって話ですね。日本語は読めるが、文章の内容を十分に理解できない(そもそも、長い文章を読むだけの能力・体力がない)ってやつです。


 Twitterがなんで文字ベースのSNSなのにウケたかっていうと、あれって144文字しかないから、体力なくても読める(分かった気になる)みたいな話も聞きます。だからそれだけの文字数で設計してるんだってやつですね。


 動画 > 漫画 > 小説


 という感じで、見たり読んだりする対象の人間の数(動画の方が母数が多い)だと思いますけど、この小説を読む層にも色々いるはずで、文章が詰め詰めだと読み込める気力体力能力がある人の方が少なくなっていくと思います。

 で、当たり前ですけど、詰め詰めの文字でもぱっとわかる人って、行間空いてても普通に理解できるわけです。


 勿論、詰められてない文章なんて、という人もいると思いますけど、多数決で行くと、行間を空けたほうが理解しやすい、読みやすい層の方が多いんじゃないかなーと思うわけです。


 ということで、『WEB小説の書き方』とかそんなレベルじゃなくて、横書きか縦書きかって話で、横書きは行間開けたほうが読める人が多いんじゃないかなと。




【背景色つけたら読まれない?】


 これ、好みだとは思いますし、僕の好みで自分が多数派かなんてわかんないですが。

 ただ、背景色変えられるとちょっと変えたくなる感はあるんですけど、背景色あるとうーんと思ってブラバしたりします。

 理由はですね、スマホで見てて、他の小説も当たり前に読むわけです。

 その中で、急に背景変わると目がしんどくてですね。(完全におじいちゃんなだけかもしれない、、)


 そして、上位で面白いなって思った人の中で背景色が変わってた人ってほとんど居ないというのもあり。淡い淡色系はありだと思いますけど、黒背景白文字で上位層って知らないですし。(居たらごめんなさい!)


 ということで背景色はデフォがおすすめかなと思います!


 


【前書き・後書きについて】


 まず前書きは、長いのは絶対止めといたほうが良いです。設定とかと同じ理由。

 後は個々で前書き後書きを書くかなんですけど、毎日投稿などで、最新話に合ってもいいとは思うんですけど、それ以外は書いても消したほうが良いと思います。

 何故なら、一気に読む時に一話ごとに少しずつ物語の世界と作者との対話で読者は行き来することになるわけです。

 物語の世界に入っては、コメントを見て、みたいになると、正直疲れます。

 こう言っている人は結構多くて、一気読みで後書きが無いと、と言っている人はあまり見かけません。


 尤も、毎日投稿で、後書きを書いては次の更新では消して、みたいな最新を追ってくれている方とのやり取りではありだと思います。

 一気に読んで、そこから毎日読むようになって、って状態で後書き見たりするのは没頭も解かれないのかなと思います。嫌な人は溜めて後からまとめ読みするでしょうしね。




【最後に】



 ということで、どうやったら読まれないかなみたいな話を書いてみました。

 他にも沢山あるだろうとは思いますが、基本的にはビジネスと同じで、成功例よりも失敗例の方が貴重なのかなと思います。

 こうしたらうまくいった~ みたいな話を聞いても、その通りやったけど駄目じゃないかってなりますが、こうしたら駄目だった、はその通り回避できたりはするので、先人が掘り起こした地雷を敢えて踏まずにどうせなら新しい地雷を発掘するか、上手くくぐり抜けて読んで頂ける方が増えたらいいなぁと思います。


 あ、勿論一番の読まれない方法は、『エタる』あるいは『全然更新されない』ことですので、そちらについては詳しくは書きません笑




 最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。


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