シャーベット探偵

第1話

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　シャーベット屋の少年から渡されたシャーロット宛の手紙の内容

　シャーロット事務所・所長　シャーロット・小林さんへ

　場所　カマクラ市・三番地　一三ノ五

　今回も期待していますよ。シャーロットさん。

　Ｘより

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　シャーロットはワトミクちゃんと供に手紙に書かれている場所へ向かった。

「首には……。傷跡はないか……」

「あっ、桜田さーん！」

「よー！門脇。久しぶりだなぁー。元気だったか？」

「はい！まさか、桜田さんとまたお会いできるとは思いませんでした」

「あー。俺もだ。なんせ、今回の事件。殺害されたのは、資産三十億の御令嬢だからな」

「そうですね」

　この二人は、警事の桜田（さくらだ）門太（もんた）と警部補の門脇（かどわき）半蔵（はんぞう）。

　二人とも管轄する場所は違うが、人手不足などの理由から今回、特別に集められた。

　桜田と門脇の出会いは、門脇が警察官になりたての頃、同じ警察署に配属された時の教育係が桜田だったことだった。

　二年前に桜田が警視庁への異動になって以来、会っていなかったが、この資産・三十億円令嬢殺人事件の捜査としてこうして、再開することができた。

「桜田さん。これ」

　鑑識官の羅生が殺害現場の部屋にあった写真を渡した。

「おー。羅生」

　ちなみに羅生のフルネームは羅生（らしょう）雪郎（せつろう）だ。

「あー。失礼します。失礼します」

　シャーロットはワトミクちゃんを抱え、申し訳なさそうに事件現場へ入って来た。

「おーい！ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ！」

　少し離れたところにいたシャーロットへ向け、桜田が言った。

「私は探偵です！」

　シャーロットはそう言い、事件現場へズカズカと入って来た。

「は～。これは・・・。ねぇ。この人に関する書類ってありますか？」

　シャーロットは桜田へ上から目線の態度で言った。

「あ～？お前、子供のくせに生意気な！もう一度言わせてもらうけど、ここは子供の来るところじゃないんだ。早くお家でも帰ってプリンでも食ってろ！」

「ぷっ……プリン……？」

　シャーロットはプリンの存在というものに疑問を持った。

彼女は、シャーベット以外のプリンやアイス。ケーキなどにデザートやおやつである権利が与えられている存在を許してはいない。

　シャーベットは、デザートであり、おやつであり、ご飯であるとシャーロットは以前から主張している。

　そのくらいシャーロットにとってはシャーベットの可能性というものを日々、感じているのだ。

「あー？それとも、シャーベットか？」

　シャーロットは、桜田の言ったシャーベットという名に対し、戦闘スイッチというものが入ってしまった。

「今、シャーベットって、言いましたか？」

「シャーベットがどうかしましたか？」

「シャーベットを侮辱するなんて……、許さない！」

　シャーロットは怒った。

「は～？」

　シャーロットは右手を丸めて、力を込めた。

「おりゃー！！」

　シャーロットはワトミクちゃんを左手に抱えながら、桜田の腹に向け、右拳でパンチを仕掛けた。