第3話
資産・三十億円令嬢殺人事件が発生して一週間。
桜田、門脇。そして、シャーロットとワトミクちゃんの捜査は順調に進んでいた。
「ねぇ。門太さん。今日、犯人を私の事務所に呼ぶつもりだから逮捕令状を持って、門脇さんを連れて来てくれる?」
「あー。分かった」
「お願いします」
夕方。
色鮮やかな夕日が美しい。
そんな、綺麗な夕日を前にして、シャーロットとワトミクちゃんは犯人がこのシャーロット事務所に来るのを待っていた。
誰か、三階建ての古びたビルの階段をヒールのような靴で昇り上がってくる足音がする。
そして、二階にあるシャーロット事務所の出入り口の扉が開いた。
「ごめんくださ~い」
若い女性の声がした。
「は~い!!」
シャーロットがその声に答え、事務所の扉にいる若い女性に向かって、歩いた。
「あ~。すみません。コチラどうぞ、
そこに居たのは、
「失礼します」
北大路はテレビやテーブルのある場所にあったソファに腰を掛けた。
「コーヒーと紅茶。どちらがよろしいですか?」
「紅茶をお願いします」
シャーロットは紅茶を三人分入れ、テーブルに置いた。
「ありがとうございます」
「あの~、その~、まぁ~」
シャーロットは言葉を選びながら、事件のことについて話そうと思った。
そう、シャーロットは長官に喜んで、この事件の捜査に協力するように答えたが、犯罪者に「あなたが犯人です!!」のような明らか刑事がやることができないのだ。
だが、シャーロットには分かっていた。
相手は、これはもう、資産・三十億円の御令嬢様のお友達でありますから、そのデリケートな心を雑な警事。警部補。如きに傷つけはしないという長官の配慮があるのだろうと……。
(これはあくまで、シャーロットの思っていることであり、伯父さんが言ったことだということだとは断言できないものなので、御注意ください!!)
「私がやったんです……。私がやったんです!!」
北大路は急に、自分が犯人だと言いだした。
「えっ……!?」
シャーロットは急なことで驚いた。
だが、こちらの方がシャーロットにとってはとても事が収まりやすいというシャーロットにとって、都合が良い。
「えっ……、北大路さん……。きゅ……、急に何を言い出すんですか?あなた、それでいいんですか?」
「だって、もう……。私……、あまり生きてて楽しくないんです……。もう、いなくなりたい……」
シャーロットは彼女が何故、そんなネガティブ発言をするのかを聞いた。
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