この作品、タイトルに惹かれて読みました。都会的というよりは、少し電飾が少なくて。空気が澄んでいて。言ってみれば、スローライフ。そんな情景を勝手に思い浮かべていました。
読んでみて、どんぴしゃ。
主人公、桜音(おと)ちゃんはその家庭環境から孤独です。
全てに諦観して。諦めてしまっている。
そんな彼女が出会ったのが、農業をしている年上の青年。栗栖さん。
年の差の恋でありながら、桜音ちゃんも栗栖さんも純情すぎて。プラトニックで、頭がクラクラしてきます。
良い!
本当に良い!
こんな純粋な気持ちを思い起こしてくれるこの作品。
名作だと思います。
月より遠い恋?
手をのばせる勇気があれば
もしかしたら――。
現代社会の都会的な窮屈さ。
時にこの作品のなかで出てくるのですが。
勇気と優しさと暖かさで溢れていて。
手をのばして。
恐れないで。
「月なんか近いよ」と言いたくなる
そんな恋……していたよねって
そう思わせてくれる作品です。
その小さな恋が芽を吹けば
きっとその月は誰よりも近い