中学時代を思い出したおっさんの恋

@naru333

第1話

中学時代に好きになった人の話だ。

中学校2年生の時に同じ塾のミオちゃんが好きだった。

中学生の時は好きな人がひとり深く好きになるというより

浅く広く好きになる性格だった。

ミオちゃんは可愛かった。性格は悪かったが。思春期にありがちな

勝ち気な女子だった。

ほとんど話したことはなく、他の人が好きになった事もありミオちゃんの事は忘れていた。



大人になり同窓会みたいな飲み会でミオちゃんにばったりと出会った。

その飲み会には同級生同士で結婚した旦那も一緒に居た。

可愛いなという印象はあったが、自分も結婚しているし連絡先を交換することも

なく飲み会は終わった。

何故か不思議な縁がありその飲み会は何回かあり、連絡先を交換する事になった。

妊娠中だったようで、飲み会には来なくなった。旦那も来なくなり、連絡すること

もなくなった。


出産し、子育てをするようになると不安があるからか連絡があった。

男は単純で頼られれば気になるし、嬉しかった。

ある時子供と散歩することになり、ミオちゃんもどうかと誘ってみた。川土手を

散歩しないかと。だっこひもで赤ちゃんを抱っこしながら川土手を歩く

ミオちゃん。可愛かった。好きだった人とこんな風に歩くことができるなんて、

俺は舞い上がっていた。あれがピークだった。


あれ以降も何回か誘ってみたが予定は合わなかった。あれからもう会うことは

無かった。お互いに忙しくなり、連絡も減り、そのまま。



あー好きだったなぁ。男は馬鹿だよなぁ。好きになったらそれしか見えない。好き

なのかどうなのかは分からないけど、川土手歩いただけで嬉しくて。こんな家族ノ

カタチもあったのかもと思ったり。しょうがないじゃん。可愛いし。思い出補正で

5割増で可愛いかった。今思い出しても幸せな時間だった。手とかつなぎたかった

なぁ。無理だったなぁ。そんな勇気は無いしなぁ。今では既読スルーだもんなぁ。

気持ち悪かったのかなぁ。マジかぁ。言ってくれよなぁ。おっさんは分からないん

だよなぁ。言いたいことを送るばっかりで。でもさ明けましておめでとうをスルー

しなくてもいいよなぁ。それなら既読つかないようにしてくれよ。ブロックすると

かさ。その方がまだいいわ。いやでも気になるから何回も確認してしまうか。どっ

ちにしても気持ち悪いよなぁ。連絡するぐらいいいじゃん。そんなめんどくさいか

ねぇ。いやぁ。告白していないのに振られた気分。あちゃー。迷惑かけたかのかも

なぁ。まあいいかぁ。川土手歩けたし。あれは本当にピーク。人生で数あるピーク

の内のひとつ。しょうがないよなぁ好きになった人に連絡しあうだけでそりゃ舞い

上がるって。一緒に歩ければそれでいいもんなぁ。




そんな中学時代を思い出して舞い上がって、浮かれていたおっさんの恋の話。

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