第3話 アリスとアルスのステータス鑑定

 神殿長に帯同してきたのは男性は副神殿長らしい。


 副神殿長が箱の中から法具水晶を出して神殿長が中央に座っている国王様のテーブルの前に置いた。


「では第一王女殿下の手を触れさせてくださいませ」


 神殿長が国王様にそう言って水晶に触れさせるために凜の手を取ろうとしたのだが、凛は自ら手を動かし水晶に触れた。


 凜が触れると水晶は青白い光を放ち、ステータスが浮かび上がってきた。


名前:アリス・フォン・アルカディア

種族:人間族

年齢:0歳

称号:アルカディア王国第一王女、カエサルとソフィアの子、カインの妹、アルスの姉

レベル:20

体力:∞

魔力:∞

物理攻撃力:∞

物理防御力:∞

魔法攻撃力:∞

魔法防御力:∞

魔法属性:火・水・風・土・雷・氷・光・影・聖・闇・無

スキル:体術、状態異常無効、言語理解


「おお、これは凄いですな」


『!!……』


 ステータスを見て気になったことは隠蔽してない称号の勇者が表示されていことだった。


 神殿長が浮かび上がったステータスを見て驚きながらそう言ったが、神殿長と俺と凛以外の人たちは驚きの表情をしたまま何も言わず黙り込んでいる。


「神殿長。まず魔法属性が多いのは王族なのだからわかるが……私は聞いたことがないが先天的に全属性の者などいるのか?」


 属性が多いのに越したことはないと思ったし、平民より貴族、貴族より王族と魔法属性が多いのは異世界転生もののラノベあるあるである。


 たがら隠蔽しなかったけどいくつか隠蔽して成長してあとから属性が増えたとした方がよかったのか……。


「そうですな……。全属性に関しては、私も後天的に新たな属性を得ての全属性な者は見たことがありますが、古い文献などを見れば見つかるかもしれませんが先天的に全属性だったのをこの目で見たのは第一王女殿下が初めてございます」


「それから丸が2つくっついているようなマークもわからないし、0歳児でレベルが新人騎士以上なんてありえるのか?」


「丸が2つくっついたマークは、無限を意味するマークです。第一王女殿下は全能力が無限ということです」


『……』


 またその場いる人たちが黙り込んでしまったが、神殿長は話を続けた。


「国王陛下、王妃殿下、カイル第一王子もそうでしたし、普通は生まれた時のレベル1ですね。

 レベルに関しても0歳児でレベル1でなかったのを初めてみました」


「であろうな……」


 マジか……。


 最初に正気を取り戻した国王様が神殿長に色々質問していったが、神殿長からの返答を聞いていくつれ、自分のミスが判明していった。


 凜のやつが国王様の腕に抱かれながらニヤニヤした顔をしてやがるとジッと見ていると


(やっちゃったね。しっかり対策したのに一番重要なとこだけに注目して他を見落とすとか漣くんらしいけどね)


 と念話が来た。


(うるさいですよ。アリスお姉様。たまたまです。たまたま)




 凛に文句を念話で返していると神殿長が法具の水晶を王妃様の前に移動させたのに気づくのに遅れてしまった。


 みんなの反応を見て話を聞いて、自分のステータスを驚かれない程度に隠蔽し直すつもりだった。


 しかし王妃様がすぐさま俺の手を取り、水晶に触れさせたので、また水晶が青白く光を放ち俺のステータスが浮かび上がってしまった。


名前:アルス・フォン・アルカディア

種族:人間族

年齢:0歳

称号:アルカディア王国第二王子、カエサルとソフィアの子、カインとアリスの弟

レベル:20

体力:∞

魔力:500,000

物理攻撃力:∞

物理防御力:∞

魔法攻撃力:500,000

魔法防御力:∞

魔法属性:火・水・風・土・雷・氷・光・影・聖・無

スキル:武器術、体術、状態異常無効、言語理解


『……』


 またもや驚きの表情をしたまま沈黙である。


 アリスのステータスほどではないがヤバいのは理解したので、そうなるよな……と思うしかなかった。







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