ワンピースのキャラが泣くシーンで感動したことある人にわかってほしい

貴族の子息ながら自ら兵を率いて盗賊を狩る公爵家の若き英雄。若いというより幼い。と、民に噂される貴族令息主人公(とても良い)

この作品の良いところはしっかりした地の文、よく練られた設定、という基礎土台の安定感ではないでしょうか。
いわゆる地力の高い、筆力の高い作者様が、コンテスト用にウェブ受けするテンプレを研究して設計・演出なさったのだなと感じました(あとがきにもその旨があり、好感度が高いなと)

主人公シュルケンが魅力的です。
ストーリーラインは王道感があり、幼年期から丁寧に描いていて、割とじっくりシュルケンの成長を楽しめる作品かなと思います。

才能がある子息として周りの大人に一目置かれるのは楽しく気持ちよく。
訓練シーンでテケリ(スライム)に頼るなと言われるところとか、いいですよね。便利な力に頼らず地力を鍛えるんですよって教えてくれる教官とてもいい。
そして、近くにいると助けちゃうから鍛錬時には預けてこいと言われるテケリ、ご主人様想いでのんとも可愛い。

白いわんこも増えている!
メイドさんたちとのお風呂シーンも、読者サービスしつつ健全な子供ムーブしてるのがほっこりします。

48話が個人的にすごく好き。
まず元々この主人公の父と母が息子を溺愛してる両親という好感度高いキャラたちで。言動の端々から息子愛がわかるんですが、その愛情を感じるセリフや描写を小さく積み重ねてきてのここで。

「泣く出ない。昔からシャッテンは泣き虫だからな……」
「……も゛っだい゛なぎおごどばでござい゛まず」

こういう。
ワンピースとかで顔をくしゃくしゃにしてセリフいうコマみたいなの想像できて「うあーーいいなあ」ってなりました。

「しっかりした地力で堅実にエピソードを積み重ねてきてここぞという場面でグッと心を揺さぶってくれる」
痺れちゃいますね。