短歌でつづる昔話

昔、むかし

金太郎 山姥ばばが育てる怪童かいどうは、末は頼もし四天王してんのうなり


気を付けて、ひとりはた瓜子姫うりこひめ 邪悪なあいつ隙をうかがう


鼻すする子供をもらい長者となるも、自分勝手ですべて失う


一寸より育たぬ身こそ逆転の知恵をしぼりて姫をいただく


放逐ほうちくはちに隠した美しさ 幸せつかむ女の強さ


捕まって「もうしません」と誓いたて、河童の伝説今に伝わる


さびしいよ泣いてすがられ負ぶっては 見事果たせばたからちから


恩返し見てはならぬと美女がいう 禁忌きんき破りはいつの時代も


それも神 信じうやまたてまつる 末は転じて福を授かる


夢占い、炭焼き信じ橋たもと 換えて幸せ窯下かまもと暗し


きっちょむさんとんち話は痛快に相手選ばずやり込めてこそ


舌切りの雀選べとつづらをば さちはすなわち無欲の方に


婿取りを悩むネズミの回り道 同類こそが一番強い


掘れば琵琶湖、積み上げれば富士の山 ダイダラボッチたわむれ笑う


三枚の御札が救う小坊主よ 山姥ばば和尚おしょうが豆にして食う


羽衣はごろもを隠して君を妻となし 卑怯なあなた心奪えず


伏せるばあ正体見たり化け猫よ 昨夜の傷がとくと残れり


その灰はポチの魂だからこそ 花を咲かせて幸せ届け


物惜しみ男のもとに女房が食わずというは前の口だけ


狸どんズルい狐を懲らしめる 行列それは本物なのだ

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