私の一歩
yusumai
私の一歩
あと、どれくらいの時間こんなふうに、
あなたと過ごせるのか。
最近そんなことを考えることが
増えた気がします。
あなたと出会ってからは、まるで産まれたばかりの赤子のように全てのことが新鮮で、
輝いているように感じられました。
あなたはいつも私に優しく言葉を投げかけてきてくれましたね。私にはその言葉の意味は分かりません、でも、でも確かにあなたの温かさを感じることができました。
それが嬉しくて、ちょっと悔しくて。
そんな日々がずっと続けばいいと強く願っていました。
でもあなたと私の一歩は残酷な程に違いすぎるから、歩幅を合わせようとしても貴方は
どんどん先に進んでしまうのですね。
その隙間を埋めたくて必死に歩幅を合わせようとしてもそれはきっと叶わない。
だからせめて、せめて最後まであなたの
そばに、居させてください。
こんな無力で臆病な私に出来る最後の恩返しを
させてください。
「ねぇ〇〇」
「私、〇〇と過ごした時間、すごく、、
幸せだったよ。」
「〇〇がどう思ってるのか私にはどうやってもわかってあげられないけど。」
「あなたも、、そうだったらいいな」
私が初めて聞いたあなたの言葉、
私が初めてあなたに言った言葉、
もう一度聞きたかった言葉、
もう一度かけたかった言葉、
たった二文字のその言葉を今はただ欲してしまう。
「〇〇!さんぽいく?」
「ワン!」
静かで冷たいあなたの横で、私はただ、
ぼやけた映像を静かに見続けていた。
私の一歩 yusumai @yusumai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます