新たな趣味決めと皿洗い
趣味を増やそう。
めっちゃ朝早く起きてそう思った。
うーんなんでこんなこと思ったんだろ?
でもまあやってみても良いかもしれない。
……とは言っても何やりゃあ良いんだろ?
今の時刻は午前5時だ。
まだ学校に行く時間じゃなから結構色々出来る。
でも朝パパッて出来て意外と良い趣味なやつないかな?
……ランニングとか?
いやでもなぁー三日坊主になるのは目に見えてる気がする。
……【探知】さん、なんか良いのありませんか?
発動して、色んな趣味が出てくる。
うーん、選択肢結構あるなぁー。
さっき言ったランニングもあるし…………サボテンを育てるって何だよ?
つかサボテンって育てられるの?
……やべぇ、興味出てきた。
そんなに難しくないならやってみようかな。
試しにスマホで調べてみる。
「えっ、うわぁ……めっちゃ簡単じゃん」
夏と冬は水やり月一で良いだと!?
しかも春と秋は土がしっかり乾いたら水やらするだけで良い!?
なんだこの植物……観葉植物初心者にピッタリじゃないか……。
早速やってみよう。
まずはサボテンを…………どこで買えばいいんだ?
花屋か? いや花屋で売ってるのか?
サボテンだぞサボテン。綺麗な花の真横に針をゴゴゴゴゴと突き出してる緑の植物置くか普通?
少なくとも俺なら置かない。
だから花屋にはないだろう。
……あ、さっきみたく普通にググれば良いじゃないか。
『サボテン 買える場所』
と調べる。
「ホームセンター、園芸店、ダ◯ソーに百均と。うーん、色んなとこに売ってんなぁー。ん? サボテンを売っている花屋もある……?」
売ってるんかい!
サボテンゾーンとかそういう感じのがあるんか?
取り敢えず、今この時間に買いに行く事はできないだろうし、それまでサボテンの育て方を調べますか。
そうしてググりまくって一時間が経った。
んーやっぱこれ簡単だけど中々面白そうだな。
よし、新しい趣味これにしよう。
下に降りて、テレビを付ける。
やっぱこの時間帯は面白いのやってないなぁー。
……どーしよ暇だ。
趣味にあったランニングやってみるか?
いやでもただ走るだけじゃあなぁ。
しかも俺運動できないし。
なんかやりまくって良い事……。
チラッとキッチンを見る。
……家事の練習……とか?
これならやりまくっても良いだろう。
でも、どうやって練習しよう?
プラスチック製のお皿で練習してみるか。
それなら落としても大丈夫だし。
キッチンの戸棚をゆっくりと開けて前にパーティがあった時に使ったプラスチック製の皿を探す。
「あ、あった!」
紫色のプラ皿を取り、少し水で洗う。
さてと、このお皿を……試しに電子レンジで……いややめとこう。
なんか嫌な予感がする。
んじゃあ……洗ってみよう!
再度水を出してスポンジに洗剤をかけて泡を立たせる。
ここまでは、ここまでは良いんだ。
問題はこの後、洗ってる最中に飛んで行かないようにする。
花園さんの家では洗い場に置きながらゆっくりとやってたけど、いつかは普通に持ったまま洗えるようになりたい。
が、今それをやると飛んでいく事は確実だから、置きながら早くやれるようにしよう。
ゴム手袋をはめて、いざ参る!
スポンジで皿の端を掴んで洗い始めた……その瞬間
『スポーン』
飛んでった。
だが理由は分かる。
洗う為のスポンジで皿を掴んだせいで、左手側からズルッと行ってしまったのだ。
「あちゃー、やっちまったやっちまった」
急いで拾ってまた挑む。
『スポーン』
……俺、花園さんの家で本当にどうやって皿洗いしたんだろ?
また拾って、飛んでって、拾って、飛んでってを繰り返す。
そして――
「あ、洗えた!」
やっとスポンジで一回ゴシッと出来た。
は? そんだけ? と思うかもだが俺にとっては大きな一歩だ。
そしてまた力を込めてグイッとやる。
「おお! 2回も出来た!」
なるほど……コツは左手に力を込めて右手はさほど力を入れないってところか。
そしてそのまま端を洗って一周する。
「い、一周……一周出来たぁー!」
皿を持ちながら舞った。
洗剤が少しだけ床に垂れたが、そんなのお構いなしで舞いまくる。
「どうしたんですかお兄ちゃ〜ん?」
目を
「あ、愛花起こしちまったか? ごめん」
「大丈夫です、それより、何を騒いで――お、お兄ちゃんが皿洗いしてる!?」
愛花が驚きすぎて尻餅を付く。
「はっはっはー、お兄ちゃんも日々成長しているのだー」
「明日はそのお皿でも降るのでしょうか!?」
なんだその比較的平和そうなのは?
「取り敢えず、お皿は洗えるようになったぞ!」
「す、凄いですお兄ちゃん! ……あれ? それ端しか洗ってなくないですか?」
「え? そういうもんじゃないの?」
「違います!」
愛花は俺から皿を取り、中央部分を洗い始めた。
あちゃー、中央もゴシゴシするのか。
そう思った途端裏面も洗い出す。
「ちょちょちょ!」
「何ですかお兄ちゃん!?」
「何で裏面もやるの!?」
「汚いからです!」
そう言って愛花が洗う。
「こんな感じです」
な、なるほど?
「しっかりと端を洗って、中央をゴシゴシしたら裏面もしっかりゴシゴシして下さい」
「は、はい」
試しにやってみる。
端はもう出来るようにはなってたから中央をやる。
「あぁ!」
ドゴンと音を立ててプラ皿が落ちる。
「中央を洗う時に力を入れすぎですね」
「む、難しいな……」
その後も何度かトライしている内に、いつのまにか俺がいつも起きる時間である七時半になっていた。
だがそんな時間になるまでやったお陰か、中央を洗えるようになっていた。
まあまだたまに落とすけど……。
「う、裏面やってみるか」
「分かりました」
裏面に持ち替え、洗おうとする。
「あららら」
またドゴンと落としてしまった。
裏面にすると角度が変わるから力加減も変えないといけない。
皿洗いって本当に難しいんだなぁー。
「あっ、お兄ちゃん!」
「え!? どしたの!?」
皿を見てみると……
「あっ!」
洗えてる!
気付いたら端以外のところを洗っていた。
「やったぞ愛花ぁー!」
「やりましたねお兄ちゃん!」
お互い抱き合う。
「よーし、この調子で行けば皿洗いなんて余裕だな!」
「そうですね!」
愛花はにこにこと笑いながら階段を登る。
俺も学校の制服に着替えないといけないので登る。
なんか今日学校に行ってないのに凄い疲れた。
……でも、めっちゃ成長した気がする。
そう思いながら自室に入った。
スキル【探知】で運命の人を探したら通ってる学園のマドンナでした 〜 どんなピンチも【探知】でどうにか切り抜けます 〜 鬼来 菊 @kikkukiku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。スキル【探知】で運命の人を探したら通ってる学園のマドンナでした 〜 どんなピンチも【探知】でどうにか切り抜けます 〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます